拡大する写真・図版メンチカツやコロッケなどで人気の精肉店の列も、広い間隔が空けられていた=2020年5月26日、武蔵野市吉祥寺本町1丁目、平山亜理撮影

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 新型コロナウイルスの感染が広がる中、患者を受け入れてきた東京医科歯科大学医学部付属病院の大友康裕・救命救急センター長が、今後のコロナ対策について寄稿した。

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 安倍首相による3月2日からの全国の小中高と特別支援学校の臨時休校要請にはじまり、4月7日に発せられた緊急事態宣言はようやく解除されたが、国民の自粛は2カ月以上に及んでいる。

 現在、国民は、あいまいな根拠のもとで恐怖と安心に惑わされている。感染者の隣に座っただけでウイルスはうつるのか? マスクをつけ、せきやくしゃみをしていない人から2メートルの距離を空けなければならないのか? ならば緊急事態宣言前の満員電車では大量のクラスター(感染者集団)が発生したはずだ。本当に駅前にいる人の数を80%減らさなければならないのか? 70%減とそんなに大幅に感染者発生数が違うのか?

拡大する写真・図版大友康裕さん

無症状で感染性のある市民を「見える化」

 緊急事態宣言が解除され、ほっとしている方も多いと思うが、第2波によって新規感染者が急増すれば再宣言となる。営業を再開するにしても、恐る恐る始めなければならない。現在、完全閉鎖状態から、多少でも店を再開したいとの気持ちから、大幅な客席数減で開始したとしても、これで長続きするはずがない。以前の半分以下の客数では赤字が続くことになるのではないか。自粛解除しても、元に戻るわけではなく、相変わらず実質自粛を継続することになるということである。

 外出自粛や「ソーシャルディスタンシング(社会的距離の確保)」は、誰が感染しているかわからないからやらざるを得ない。ウイルスは目に見えない。見えないから怖い。怖いから過剰な対応に走る。感染症対策は、「自然科学が重要」という。しかし残念ながら、これほど医学が進歩したにもかかわらず、最も原始的な対応手段しか提示出来ていない。

 私が考える解決策は「見える化」である。「無症状で感染性を保持した市民を見える化する」ことである。

 過去の感染歴を調べる抗体検査では、神戸市立医療センター中央市民病院では外来患者の3・3%が陽性であり、東京都の陽性率は500検体で0・6%、東北6県は500検体で0・4%だったとの発表があった。東京都ではこれまで約8万4千人が感染していた計算になる。検査時に東京都が公表していた感染者数の約20倍にあたる。抗体検査で陽性ということは、過去のいずれかの時に感染したことを意味するので、東京都が毎日発表する新規患者数の20倍とすると、4月10日には都内に約4千人の新規感染者がいたと推測される。

 社会生活の中で感染を広げるおそれがある「無症状の見えない感染者」の存在におびえて、人々は過酷な自粛生活を2カ月以上も強いられているのである。ものすごく非効率である。自粛解除となっても、マスク装着が求められ、人が集まる営業は客の制限をすることになる。この生活制限は、年余にわたる可能性がある。具体的には、ワクチンによる免疫を含め、国民の7割が免疫を持つまでとなる。

 この早期解決策が、全国民に検…

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