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 新型コロナウイルスの感染拡大で、高齢者らのケアに地域密着で取り組む福祉団体の活動が壁にぶつかっている。外出自粛や「3密」の回避で、交流拠点での集いは軒並み中止。顔を合わせ、つながることを大切にする活動理念が根本から覆された形だ。それでも逆境をはね返そうと、様々な工夫でつながりを保ち、ノウハウを広く共有する試みも始まっている。

 「きょうはおいなりさんと太巻きですよ。何も困ってることはない?」

 川崎市の住宅街にある2階建ての一軒家。自宅から歩いてきた80代の女性に、パック詰めの食事を手渡しながら近況を尋ねる。女性は「ここに来るのが楽しみなの」と笑顔を見せた。

 宮前区の野川地区で活動するNPO法人「すずの会」は4月から、原則毎週土曜日に、調理した食事を地域の高齢者に取りに来てもらう取り組みを進めた。

 2月までは空き家を活用した交流拠点「すずの家(や)」で、孤立防止や介護予防のための集いを週2回開いていた。一人暮らしのお年寄りらが毎回十数人集まり、ボランティアと昼ご飯を食べ、わいわいと過ごす。だが新型コロナの影響で、別の施設で開くミニデイサービスとともに休止に追い込まれた。人との接触を避ける感染防止策が、顔の見える関係を大切に積み重ねてきた活動を阻んだ。

 理事長の鈴木恵子さん(73)らはその後も、利用者を気遣う電話をかけていた。外出を控えることで認知症が進んだり足腰が弱ったりする人が増えないか。4月に入り外出自粛の長期化が確実になると、集まらずにつながりを保つ手段として食事の配布を決めた。

 筋力低下を防ぐ狙いも込めて、住民には「すずの家」まで歩いて取りに来てもらう。毎回約30食を作るが、あらかじめ電話で来てほしい時刻を10~15分間隔で伝え、滞在が常時数人にとどまるよう気を配る。来なかった人には家まで食事を届けて生活状況を確認。必要に応じて区の地域包括支援センターなど関係機関とも連絡を取り合う。

 鈴木さんは「地域に開こうと頑…

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