シンガポール=西村宏治
マレーシアのマハティール前首相(94)が28日、ムヒディン現首相らと2016年に立ち上げた「マレーシア統一プリブミ党」から除名を宣告された。マハティール氏は猛反発。党のトップで、現在は鋭く対立しているムヒディン氏の不信任を国会で問う構えで、政界の混乱が避けられない状況になってきた。7月には95歳になるマハティール氏だが、数々の政争をしのいできた闘志は健在だ。
「私は党の議長だ」。除名宣告の翌日、マハティール氏は党本部に乗り込み、記者会見で訴えた。自ら記者を引き連れ、予告なしで党本部に現れたという。「誰も止められなかった」と居合わせた人は振り返る。地元メディアは「怒れる虎のような反撃」と報じた。
対立の始まりは2月。マハティール氏が首相を辞任すると、ムヒディン氏が党を率いて当時の与党連合を離脱。野党と組んで首相の座を手にした。マハティール氏は「裏切り」だと反発。党に身分を残したまま5月の国会で野党席に座り、党から除名宣告を受けた。
新型コロナウイルス対応のため、3月中旬から外出が制限されたマレーシアでは、5月になって制限が緩和されている。外出制限中はランニングマシンなどで健康の維持に努めていたというマハティール氏は、ここに来て現政権への批判のトーンを上げている。
最近のインタビューでは「(ムヒディン氏が)首相に就く権利はないことを証明する」「彼は大きなトラブルに遭うだろう」と主張している。
マレーシアでは国会(下院)で過半数の支持を集めた議員が首相に就く。現職のムヒディン氏への支持は過半数ぎりぎりで、数人が造反すれば国会運営が難しくなる。すでに地元メディアでは、造反の動きも取りざたされている。
ただ、すぐにマハティール氏の…
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朝日新聞国際報道部