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 新型コロナウイルス対策で長引く家庭学習の素材にと、新潟市の教育委員会が教師がつくった学習用動画を配信している。18日に始めた初の試みで、配信済み動画は100本以上。再生回数は計3万回を超えており、市教委は通常授業を再開する6月1日以降も動画を追加する。

 「点と点を定規で結んでいきましょう」。丸山小学校(江南区)の無人の教室で19日、同校教員の大門克寿(かつとし)さん(45)がビデオカメラに語りかけていた。4年生の算数「折れ線グラフ」をテーマにした、約8分間の動画の撮影だ。

 黒板にチョークで書いて教える授業とは違い、教室内に置いたモニター画面に自作の資料を映し、それを動かしながら説明する内容。画面に「STOP」と出し、児童が考える時間をとる工夫も。「書けたかな? 画面に向かって話してみて」と、児童を想定して呼びかける場面もあった。

 大門さんは、所定の研修を終えた教員を同市教委が認定する「マイスター」の1人。大門さんらマイスターも配信動画の制作に関わっている。「動画だと(教える側からの)一方通行になりがち。表情や身ぶりも付けることで、子どもたちに楽しんでもらえたら」と話した。

 動画制作・配信の中心になっているのが、同市立総合教育センター(西蒲区)だ。業務の教員研修を感染対策で中止したため、空き時間にセンターの職員らが今月から制作。小学生の国語と算数、中学生の数学と英語を中心に、3~10分ほどの動画を作っている。

 センター職員で指導主事の小林英男さん(54)が制作した動画は、英語の「受動態」がテーマ。別の教員と録音した英会話を流したり、プレゼンテーション用ソフトでつくった資料で動詞の語形変化やbe動詞の置き場所を示したりする内容だ。「通常授業に向けたウォームアップにしてもらえたら」と話す。

 同センターの小林圭一所長(56)は「学習内容を伝えるほかに、子どもたちに休校中も自分を律し、学習リズムを維持するために使ってもらいたい」と狙いを説明する。動画なら、好きな時間・場所でスマートフォンなどの端末を使って取り組める。「『今日はこの動画を見て、この科目をやろう』と、自分で生活を設計していくことが今後役立つはず」と期待を込める。

 課題もある。「各校で授業の進度や指導計画が違うため、全員の子どもが満足できる動画は難しい」。教員や児童生徒の意見を聞き、改善したいという。

 動画は、同センターのホームページ(http://www.netin.niigata.niigata.jp/)別ウインドウで開きますから視聴できる。(高橋俊成)