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 神奈川県内で緊急事態宣言が解除されてから初めての週末を迎えた30日、観光地や商業地に「日常」が戻り始めた。

 箱根町の大涌谷では同日、谷を通る箱根ロープウェイが運行を再開した。町は4月29日から閉鎖していた大涌谷園地を開放した。

 ふだんの休日に比べれば人出が少なかったが、名物・黒たまごの販売には列ができた。午前11時前にいったん売り切れると、間隔を取りながら販売再開を待つ人たちが数十メートルの列を作った。11時半から、列の先頭の人が手を消毒し、袋入りの黒たまごを買った。

 感染予防のため、ロープウェーもゴンドラの小窓や床の換気口を開放した。早雲山駅から上昇する際、新緑が覆う山腹から小鳥のさえずりが響いた。大涌谷上空では、立ち上る噴気から温泉のような臭いが漂う。

 厚木市から家族4人で来た小宮正年さん(74)は「買い物以外の外出は久しぶり。箱根は気分が良くなる」と話した。

 横浜市のみなとみらい21地区では、マスク姿のカップルや家族連れが目立った。観覧車がある遊園地「よこはまコスモワールド」や観光名所の「横浜赤レンガ倉庫」は休業が続くが、大型商業施設の多くが営業を再開した。

 横浜市神奈川区の会社員女性(37)は、子どもや会社の同僚と一緒に大型商業施設「横浜ワールドポーターズ」を訪れ、バーベキュー用の皿などを購入した。「意外と人がいますね」と人出に驚きつつも、「スーパー以外で買い物をするのはすごく久しぶりで、いい気分転換になりました」と笑顔を見せた。

 川崎市中原区、東急東横線元住吉駅近くの商店街、モトスミ・ブレーメン通り。昼すぎには大勢の買い物客でにぎわっていた。緊急事態宣言の発令中には休業する店もあったが、この日は一部のチェーン店をのぞいて店を開けた。

 商店街振興組合の販促部長で果実店を営む高林富雄さんは「(人が集まりすぎないようにと)延期した商店街のイベントも、感染防止を図りながら準備を始めたい」と話した。(村野英一、末崎毅、大平要)