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 新型コロナウイルス対応の緊急事態宣言が全国で解除されて初めての週末。だが、感染が再び拡大している北九州市では、引き続き外出自粛が呼びかけられ、市民は「第2波」への警戒を強める。遠のく終息に、街に疲れの色がにじむ。

 4ヘクタールの芝生広場や様々な遊具などを備えた北九州市若松区の大型公園・グリーンパークは、普段の週末は多くの家族連れらでにぎわう。公園によると、前週の土曜日は約6600人が押し寄せたが、この日は約1200人と5分の1以下だった。

 家族と訪れていた戸畑区の自営業、中尾真奈美さん(44)は「学校がずっと休校で、子どもたちが家にいる時間が長かったので、外で遊ばせたかった」。子どもたちは休校期間中、イライラした様子を見せることもあったという。グリーンパークでは、マスクを着用していない人の入場を断り、消毒液の設置などを徹底しており、「しっかりやっているので安心です」。

 市内では小中学生の感染も判明し、6月1日から全面再開する予定だった小中学校が当面、午前のみの登校になる。「まだまだ怖いが、私も仕事があり、休校が続くのに限界を感じていた。学校に行けるだけでもありがたい」と話した。

 小倉北区の西小倉小学校にはこの日午前、新1年生と保護者たちが次々と訪れ、体育館で在校生のメッセージ動画を見たり、飾り付けられた教室で記念撮影をしたりした。

 市立小学校ではこの日、緊急事態宣言で4月に実施できなかった入学式の代わりの行事を行うはずだったが、再び中止に。一部の学校は希望者に開放された。新入生の女子児童(6)は「写真を撮ったり担任の先生に会えたりして、楽しかった」。

 八幡西区の繁華街・黒崎のアーケード。買い物に来た近くの女性(84)は人通りを見て、「少ない、少ない」と話した。区内では、特別養護老人ホームの職員や入所者の多数の感染が判明し、「どこで感染するか分からない。自分の健康は自分で守るしかないですね」。通っていた体操や社交ダンス、コーラスの教室などは、コロナ禍で3カ月間休みが続く。体調管理のため、散歩など外出の機会をつくるようにしているという。「みんな自粛続きで客が来ず、商店の人たちもかわいそう。今日はさっと買い物をして帰ります」と足を速めた。

 JR小倉駅の新幹線のりばの改札も、人の行き来はまばらだった。飼い犬をケースに入れて連れていた小倉北区の女性(28)は、犬を獣医師に診てもらうため福岡県春日市の実家へ向かうという。月1回、犬を獣医師のもとへ連れて行っている。

 「犬の薬もなくなってきているので、仕方ない」と思いつつ、市外への移動自粛が求められている中、罪悪感もある。「なんで北九州だけこんなに感染者が増えているのだろう。実家に着いたら、すぐにお風呂に入ろうと思います」(吉田啓、城真弓、板倉大地)