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日曜に想う

 「米国が宇宙人に攻撃されたら、助けてくれますか」。切り出したのはレーガン大統領である。暖炉をはさんで向き合ったゴルバチョフ・ソ連書記長が応じた。「もちろん」。レーガン氏も返す。「我々も(ソ連を助けます)」

 1985年にジュネーブで開かれた米ソ首脳会談。全体会議の合間、通訳だけが同席したそのやりとりは24年後、ゴルバチョフ氏によって明かされる。

 こぼれ話の類いとはいえ、首脳同士の気のおけない対話が後の雪解けに果たした意味合いを思い起こさせる。冷戦という分断状況にあって東西陣営のリーダーが「人類共通の脅威」に同じ態度で向き合っていた様子もうかがえて興味深い。

 冷戦、ポスト冷戦と時代は一巡し、米国と競い合う相手も代わった。いうまでもなく、経済、軍事、先端技術などあらゆる面でのしあがった中国である。

 中国に関与し続ければ民主主義が根づき、共存共栄が成る――。そんな期待はオバマ政権の後半にはしぼみ、そこへ米国第一主義を掲げるトランプ政権が誕生した。決壊したダムから「対中強硬」の激流が噴き出した観がある。

     ◇

 この2、3年で政権の周辺から発せられる言葉も、中国の台頭を押し返す「プッシュバック」から、いっそ両国関係を切り離してしまえという「デカップリング」へ。さらに新型コロナ禍で「(中国を)罰しろ」に置き換えられつつある。

 米ピュー・リサーチ・センターの世論調査で過去最高の66%が中国の印象を「好ましくない」とした流れに便乗するかのように、「中国の無能が世界規模の大量殺人を起こした」と大統領の発信はますますとがる。これに中国は「新冷戦に向かわせる動き」(王毅外相)と反発する。

 だが私は、いがみあう米中を「…

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