中国総局・福田直之
2月の「経世彩民」で報告した北京市の風景は、新型コロナウイルスの厳しい感染防止策のなかで、どんよりと沈んでいた。3カ月がたった今、統計上の感染者はほとんど出ておらず、街の様子は大きく変わった。
マスクをしながらもみな街へ出るようになった。公共交通機関に活気が戻り、朝夕のラッシュ時に主要な地下鉄駅で行列が復活した。飲食店は検温があるが向かい合って座れる。ただ、映画館やジムは閉まったままだ。
日常を取り戻しつつある北京市で、5月下旬には国会にあたる全国人民代表大会(全人代)が開かれた。中国各地から選ばれた3千人近い代表が人民大会堂に集まった。年に1回だけ開かれる政治イベントだが、今年は新型コロナの影響で異例ずくめだった。
拡大する5月28日に北京市で開かれた全国人民代表大会(全人代)の閉幕式で拍手をする代表=ロイター
もともと3月上旬から開かれる予定だったが感染の収束を待ち、2カ月以上先送りされた。それでも念を入れ、習近平(シーチンピン)国家主席ら最高指導部を除いて会場は皆マスク姿だった。疫病の爪痕は深く、毎年示されてきた経済成長率の目標も、今年は「不確実性が高い」として提示すらできなかった。
会期中に取材した代表が口々に語ったのは活路を見いだすための必死な取り組みだ。
■各地の代表が語った必死の取り…
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朝日新聞国際報道部