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 新型コロナウイルス感染拡大の影響による失業や収入減によって、「最後の安全網」生活保護を利用する人が急増している。制度で暮らしを立て直す人がいる一方で、窓口の対応が追いつかず、「相談崩壊」を懸念する声も上がる。

 「生活保護なんて無理だと思っていた」

 5月中旬、生活困窮者支援団体のサポートで保護利用が決まった28歳の男性は、そう振り返った。

 「もう居場所がありません。どうしたらいいでしょうか」。5月3日午前0時過ぎ。支援団体の緊急相談受け付けフォームにメールを送った。所持金は150円。友人のアパートで寝泊まりさせてもらっていたが、感染リスクもあり、もう限界と言われていた。大型連休中で役所も閉まっている。これでダメならホームレスになるしかない――。祈るような思いだった。

 中国からの輸入貨物を扱う倉庫で日雇いの仕事をしながら、昨年から都内のネットカフェで生活していた。アパートを借りる費用をためるのは難しく、建築関係の住み込みの仕事を探していた。新型コロナウイルス感染拡大の影響で、3月には仕事が完全になくなった。ネットカフェ代を節約するため、夜通し街を歩いたり、ファミリーレストランで夜を明かしたりする日が増えた。だが、日雇いの仕事を得るための命綱であるスマホの盗難が怖くて、外で眠ることはできなかった。

 事情があって、両親とはもう6年間、音信不通だ。緊急事態宣言でネットカフェも休業となり、友人に助けを求めた。

 その前に、友人に迷惑をかけたくなくて、自分も生活保護が利用できるのか、相談をしようとしたことがある。福祉の担当者に「若いんだからだめだよ」「親もいるんでしょう」と一蹴され、取り付く島もなかった。年齢以外は何も聞かれず、カウンターの席に座ることすらできなかった。

 SOSメールの送信先は、生活困窮者支援にあたる「つくろい東京ファンド」(稲葉剛・代表理事)。ニュースで活動を知り、検索して相談フォームを見つけた。その日のうちに返信があり、5月5日には同ファンドの支援協力者である区議会議員と会った。待ち合わせ場所の駅までの電車賃も足りず、乗り越し運賃は区議から改札越しに受け取った。

 当面の食費・宿泊費にあてる緊…

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