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 36人が亡くなった京都アニメーション第1スタジオ(京都市伏見区)の放火殺人事件で、京都府警と京都地検が昨年11月、入院中の青葉真司容疑者(42)から任意で事情を聴いた際、その様子を録音・録画していたことが捜査関係者への取材でわかった。病室で身体的な自由が制約される中、聴取の任意性を担保する狙いがあったとみられる。

 捜査関係者によると、青葉容疑者は全身にやけどを負い、一時、意識不明の重篤な状態に陥ったが、昨年11月までに会話できる状態に回復した。府警と京都地検はあわせて数時間、大阪府内の病院で青葉容疑者を任意で事情聴取。医師が立ち会ったという。青葉容疑者はこの際、事件への関与について大筋で認める供述をしたとされ、その様子も録音・録画されたとみられる。

 刑事司法改革関連法が昨年6月、完全施行され、裁判員裁判になる事件や検察の独自捜査事件などは、逮捕後の取り調べの全過程が録音・録画されることになった。だが、逮捕前は対象外。入院中の病室での事情聴取が、逮捕による身体拘束下の取り調べと変わらないとみなされ、公判で任意性が問われないよう配慮したとみられる。

 京都弁護士会は事件発生翌日の昨年7月19日、逮捕前に聴取をする際は録音・録画するよう府警に求めていた。青葉容疑者の国選弁護人の遠山大輔弁護士は逮捕後の5月29日、京都地検に対し、取り調べの録音・録画に加え、アクリル板越しでの接見ではなく、取調官と同じように青葉容疑者の部屋で接見できるようにすることを申し入れた。