日医会長5期目へ横倉氏が立候補表明 一時は引退検討も
日本医師会(日医)の横倉義武会長(75)が1日、5期目をめざして会長選挙に立候補する意向を正式に表明した。この日は中川俊男副会長(68)も立候補を表明。選挙は27日にあり、会長やほかの役員が決まる。
地元・福岡県で記者会見した横倉氏は、北九州市で新型コロナウイルスの感染が拡大していることに触れ、「全国どこでも第2波が来る可能性がある。治療法もはっきりせず国民が不安を感じている中、『いま交代するべきではない』とのお叱り、要望を受けた。引退を考えていたが、もう一遍頑張らねばと決意した」と述べた。麻生太郎財務相やほかの医療団体からも出馬を促されていた。
5期目の目標として、政府が病床数の削減などを進める「地域医療構想」について、医療資源を削減したイタリアを例に挙げて「非常時の医療提供も考えておかなければならない。日本の医療提供体制がどうあるべきかを検証し直す必要がある」と強調した。
一方、横倉氏を長年支えてきた中川氏も都内で会見し、「横倉体制を本流として継承し、さらに強化していく」と繰り返し、政策の方向性に大きな違いはないと強調。今年に入り2度、横倉氏から「私は降りる。君に任せる」と言われたと主張し、立候補に至ったと説明した。
日医の会長は1期2年。2016年から3回連続の選挙戦となる。(竹野内崇宏、久永隆一)
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