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 県境をまたぐ移動の自粛要請が解除された1日、飛行機の乗り入れ「ゼロ」が続いていた花巻空港では名古屋便が復活した。新型コロナの影響で休業していた旅館や行楽地も再開に動き出した。

 県は1日から県外への移動の自粛は求めない。ただ、北海道、埼玉、千葉、東京、神奈川との不要不急の移動は「慎重に」としている。19日以降は5都道県についても往来の自粛は求めない方針だ。

 一方、県はこの日、県内の宿泊施設の利用を促すキャンペーンを再開した。対象の施設に宿泊した人の中から抽選で南部鉄器や県産品の詰め合わせが当たる。「キャンペーンは県民向け」(担当者)といい、「県外からの観光客の誘致についても少しずつ進めていきたい」と話した。(藤谷和広)

 花巻空港で1日、名古屋(小牧)との定期便の運航が再開した。4月28日に全便運休となってから、約1カ月ぶりのフライトだ。

 午前11時すぎ、小牧から飛行機が着陸し、利用者が到着口から出てきた。「(コロナが)もう落ち着きそうなので」。そう話すのは製薬会社の40代男性。盛岡で単身赴任しており、4月中旬に名古屋の自宅へ帰った。「在宅ワークにも慣れてきたが、仕事が心配なので戻りました」

 運航を再開したのは、午前11時5分花巻着と午前11時35分花巻発の1往復2便で、30日までこのダイヤを続ける。コロナ対策として、機内は1列4席あるうち窓際の左右2席しか使わない。最終的には1日4往復の運航をめざす。花巻空港は国内線に札幌、名古屋、大阪、福岡の4路線、国際線に台北、上海の2路線が就航している。

 沿岸有数の観光地、浄土ケ浜にある浄土ケ浜パークホテル(宮古市)は1日、42日ぶりに営業を再開した。出入り口にはサーモグラフィーを設置。体温を確認した上でチェックインの手続きを行っていた。

 4月21日から休業に入った。5月は8月に次ぐかき入れ時で、例年4千人以上の宿泊がある。宴会や披露宴も中止となって売り上げはゼロだ。渡邉新一郎総支配人は「今まで見たことがない赤字額になると思う」。一方、再開に踏み出したことで「コロナとの共存が求められる。まずは県内からの誘客を進め、宮古や沿岸の観光振興の一端を担いたい」と力を込めた。

 平泉町の中尊寺では1日、金色堂などの拝観が再開された。4月11日に休止して以来、52日ぶり。入場口では感染防止のため、拝観券を受け取って券を切り取るのをやめ、職員が目視での確認に切り替えた。

 宮城県から妻と訪れた40代の男性は「駐車場が初日のせいか、ガラガラでした」と話した。中尊寺によると、この日の拝観者は例年の1割程度だったという。毛越寺も1日から宝物館などの拝観を再開した。

 4月17日から臨時休園していた小岩井農場まきば園(雫石町)も1日再開した。毎年、月に2、3回来るという花巻市の元宣教師ペーター・ミヒェルさん(73)は「岩手で最も美しい場所と思う。スイス人なので、山があると落ち着き、ここに来ると、気分がよくなります」と話した。

 6月の営業は午前10時~午後4時。7月1日から午前9時~午後5時の通常営業となる。(御船紗子、大西英正、泉賢司、成田認)