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 新型コロナウイルスの影響で休校が続いていた県内の公立の小中学校や高校など計632校で1日までに学校が再開した。岐阜市内の小中学校では約2カ月遅れの入学式もあった。当面は分散登校を続け、15日からは通常の授業を行う予定。部活動なども順次再開される見込みだ。

 再開にあたり、県内の各学校では分散登校や検温の徹底などの感染防止対策がとられた。

 岐阜市内の小中学校では、感染リスクを減らすため、児童や生徒は各教室で前後左右に空席をつくる「チェッカーフラッグ式(格子状)」で着席し、始業式に臨んだ。分散登校の期間中は、この形態で授業をするという。

 市立長良東小学校では玄関前に三角コーンを設置。学級名が書かれた場所に並び、健康状態のチェックを受けてから教室に向かった。

 市立本荘中学校では生徒が時間帯をずらして半数ずつ教室に入り、校内のテレビ放送で始業式に参加。今年は体育祭などの学校行事のほか、部活動の大会も中止される。

 サッカー部の長谷祐嗣部長(3年)は「(他校の)合同チームの仲間と会えないのは寂しいし大会がなくなって悔しい」。陸上部の松波凛奈部長(3年)も「部活が再開したなら、できる限りのことをやりたい。受験勉強もがんばりたい」と話した。

 夏休みや冬休みの短縮、土曜授業などを通じて、年間の授業のコマ数は確保できる見通しだという。

 同校では体操服のシャツをズボンに入れて着用する決まりだが、今年はマスクをつけての生活が続くため、体温調節のためシャツを入れなくてもよくする。生徒が触れる机や階段の手すりなどは1日2回ずつ消毒をするという。3年生の教室では作文やぞうきんなどを生徒同士で集めず、1人ずつ教室の前に出て提出していた。

 大垣市も1日、児童、生徒を午前と午後に分けた分散登校で学校が再開。市内では、登校する子どもたちの声が響いた。

 同市は、小中学校の水道の蛇口を、開け閉めのたびに握る必要のある三角形のものから、腕で押すことのできるレバー状のものに交換を進めている。市立小中学校全32校の、トイレの手洗いの蛇口、計約900個が対象。通常授業が始まり、給食が開始される8日までに交換を終えるように作業を急ぐ。

 市立東中学校では職員らが26カ所を交換。生徒たちは手首より上でレバーを動かし、「簡単だ」「これなら手が汚れない」と使い方を確認した。市教育委員会庶務課の担当者は「子どもたちの感染を防ぐため、小さなことでも出来ることを進めていきたい。給食開始に向けて、作業を急ぎたい」と話した。

 5月18日から一部で分散登校が始まった飛驒地域の3市1村では給食が再開。小中一貫の白川村立白川郷学園では、児童生徒114人分の給食がパックに分けられた。子どもたちは距離をとって列をつくり、焼きそばやサラダの入った二つのパックや牛乳を受け取った。

 休校前は全員がランチルームに集まり、給食を食べていたが、感染防止のため、教室やホール、外などに分かれ、久々の給食を静かに味わった。体育館で食べた中学2年生にあたる8年生の山田泰輔さんは「おいしかったけど、話もできず、なんか違和感があった」と話した。

 中津川市では、市内の小中学校30校が再開。うち7校は児童・生徒が半数ずつ登校する分散登校だった。市立東小学校では、全児童412人のうちの半数が登校。校舎に入る前に2メートル間隔で引かれた3列の白線に並び、自宅で測った体温を教職員に確認してもらった後、手指の消毒をした。

 大脇雄一校長は「無事に再開出来た。子どもたちの心や体を丁寧に見守っていきたい」と話した。

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 岐阜市立の小中高校で1日、約2カ月遅れの入学式があり、新入生や保護者らから笑顔がこぼれた。

 本荘中学校では、深尾雅人校長が「仲間との心の距離を縮めて」とあいさつ。新入生134人を代表して熊谷亜美さん(13)が「小学校の6年間以上に成長し、思い出もたくさんつくりたい」と語った。教諭らは生徒の前で抱負を語った後に一瞬だけマスクを外し、笑顔を見せた。

 式への参加は、生徒1人につき保護者は1人。長女が入学した伊藤智さん(44)は妻が会場に付き添ったため、自身は会場前で記念撮影をして別れた。「寂しい面もあるが無事に入学できてよかった」

 長良東小学校では、新入生108人と保護者がマスクやフェースシールドを着けて式に臨んだ。国歌斉唱では曲だけが流され、「心の中で歌ってください」とアナウンス。鵜飼高男校長は「長い間待たせてごめんね。学校は勉強ができる楽しいところ」と語りかけた。新入生には、同小を卒業した3姉妹の手作りマスクが贈られた。

 萩原佑一郎君の母、真理子さん(35)は「子どもは学校を楽しみにしていた。不安の中で通うよりもよかったと思う」と話した。