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 マスクの寄付を受け付け、基礎疾患のある人や高齢者ら必要な人に届ける鳥取県の取り組み「とっとりささえあいマスクバンク」の運用開始から、1カ月が過ぎた。県内外から1万8千枚を超えるマスクが集まるなど、善意をつなぐ橋渡しの役割を担っている。

 5月中旬、県庁の会議室で福祉保健課の職員3人が集まったマスクの仕分け作業を行っていた。中には、服飾業者が善意で製作したものや、疫病退散の言い伝えがある妖怪「アマビエ」のイラストが添付されたもの、子ども向けに作られた小さめサイズのものもあった。職員は一つ一つを確認しながら手際よく封筒に詰めていた。

 マスクバンクでは、県庁や西部総合事務所(米子市)など、県内の5カ所でマスクの寄付を受け付けている。基礎疾患のある人や高齢者、妊婦らマスクが入手できず困っている人は、マスクバンクに電話やメールなどで連絡。担当職員がその人がどんな状況にあるのかを聞き取った上で、1人5枚を目安にマスクを届ける。要望があればすぐに発送手続きを行い、最短で翌日には届くという。

 運用開始から1カ月(5月27日時点)で、81の個人・団体から1万8322枚のマスクが寄せられた。県内に限らず、岩手や東京、徳島など全国から寄付があった。同日までに1229人から配布の希望があり、1万7733枚のマスクが希望者の手元に届けられた。

 マスクを受け取った人からは「不安で外出をちゅうちょしていたので本当に安心しました」などと、感謝の手紙や電話が寄せられた。もともと県は医療機関や福祉施設などにマスクを支給しているが、マスクバンクはそうした枠組みに当てはまらない、困っている個人の手元に直接配れることが最大のメリットだという。

 県内では5月22日からマスク購入券の配布によるあっせん販売が始まった。流通量も徐々に回復し、少しずつ店頭にも戻り始めている。福祉保健課によると、配布の希望は減りつつあるが、寄付は大型連休明けから増え続けているという。同課の真野将徳係長は「想像以上に善意の受け口として活用してもらっている。引き続き輪を広げていきたい」と話している。(宮城奈々)