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 新型コロナウイルスの影響で臨時休校していた千葉県内の多くの小中高校、特別支援学校が1日、授業を再開した。期待に胸を膨らませる新1年生、不安を抱える受験生……。教諭たちは感染症対策と学校生活の両立に頭を悩ませる。この日は動物園や水族館、スポーツクラブなどへの県の休業要請も解除され、久しぶりの再開に親子連れらの笑顔が広がった。

 午前9時過ぎ、千葉市美浜区の千葉西高校には、全生徒の半数の約500人がマスク姿で次々に登校してきた。

 各クラスが午前と午後に分かれての分散登校。教室の机は半分の20席ほどに減らされていた。「ソーシャルディスタンスを守れば、普通に話していいよ」。1年生の担任、沢田恵一教諭(50)はホームルームでこう声を掛けた。「勉強より、生徒同士のコミュニケーションの方が心配だ」と話す。

 1年生の登校日は入学式を含め3日目。下川美音(みおん)さん(16)は「やっとでワクワクしている。休校中の英語の課題が理解できなかった。授業についていけるかな」と期待と不安が入り交じる。

 大学受験を控える3年生の小原朋己(ともき)さん(17)は「ほとんど外に出なかった」と休校中も毎日約7時間、勉強した。ストレスで親ともケンカしたといい、「学校が始まったことはうれしい」。一方で北九州市の小学校で起きたクラスター(感染者集団)に触れ、「同じことが起きないか心配。手洗いや消毒はしっかりやりたい」と語った。

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 千葉県銚子市の多くの小中学校では、ほぼ3カ月ぶりに全校の児童・生徒が顔を合わせた。市立高神小は、午前中は3年生までの低学年が、午後は4年生以上の児童が登校した。

 3年1組は、午前8時15分までに20人全員が着席した。4月に他校から赴任した平野誠一教諭は、家庭学習の課題を伝えた短時間の登校日を除き、この日がみんなと初めての顔合わせ。「少し緊張しています」と言いながら、一人ひとりから宿題を受け取り、手作りの名刺を渡した。

 その後、児童に○と×を書いた札を手渡し、近づいて話をしたりくしゃみをするまねをしたりして「3密」とは何かを説明。手の洗い方も念入りに伝えた。

 市内の小中学校は分散登校を続けながら、今週は2時間、来週は3時間をめどに授業をし、通常の学校運営に戻せるかどうか、学校の規模を考慮しながら模索していく。

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 新型コロナウイルスの影響で4月9日から休園していた千葉市動物公園(同市若葉区)が1日、再開し、朝から親子連れらが訪れた。2本の後ろ脚ですっくと立つ姿で人気を集めたレッサーパンダ風太らの姿に久々に大きな歓声が上がった。

 再開にあたっては、入場者の上限を5千人に絞り、入り口での体温測定やマスクの着用を義務づけた。感染が起こりうる一部動物については、来園者と動物の距離を通常より1メートル取るようにした。平日利用を進めるため、休園予定だった3日と10日は特別開園する。

 船橋市のパート守永亜美さん(32)は息子の朔君(4)と午前9時半の開門前に駆けつけた。「2カ月間ほとんど家の中で、子どももストレスがたまっていた。早く外で遊ばせられるようになってほしい」。夫婦で週に3日は来るという佐倉市の派遣会社経営沢田功さん(54)は「再開はうれしいが、職員や動物に感染がないよう慎重にしてほしい」と話した。(重政紀元)

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 県立学校が分散登校からの再開となる一方、感染者が少ない地域では、通常の時間で授業を再開した小中学校もあった。感染防止対策として教諭にフェースガードを配布したり、簡易給食を提供したりする自治体もあった。

 県教育委員会は、県立の中学、高校、特別支援学校について2週間、分散登校を行う。その後は、通勤・通学ラッシュを避ける「時差通学」にした上で、通常の授業に戻す計画だ。

 一方、感染者が確認されていない館山市の市立小中学校は分散登校を行わず、1日から、給食もある通常の時間割で授業を再開した。館山市教委は「授業が大幅に遅れているため、感染状況も踏まえ判断した」。同じく感染者がゼロの鴨川市教委も同様の対応を取った。

 感染者が5人の成田市の教委は1日に、感染防止対策を教える授業を行った上で、2日から通常通りの授業再開に踏み切る。独自の対策として、教諭が着用するためのフェースガード計約1200個を各校に配布した。英語の発音を教える際などに、マスクで口元が隠れないようにするためという。

 習志野市教委は、県教委と同様に、クラスを午前と午後の二つに分ける、分散登校を2週間続ける方針。ただ給食については、感染リスクのある配膳を避けるため、袋詰めのパンやパックのご飯などを無料で提供する。同市教委は「昼食を用意するのが難しい家庭に配慮した」という。

 県教委学校安全保健課は「地域によって感染状況も児童生徒数も違うため、それぞれの事情に合わせた判断をしてもらっている」とした。(寺沢知海、高木潔)