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 学びに困難や障害のある子どもたちの「学ぶ権利」を、休校期間中も守りたい――。直接の触れ合いを大事にしてきた塾が、新型コロナウイルスの感染拡大を受けてオンライン授業に踏み切ったのは、「学ぶ権利」が理由でした。再び休校となる可能性も視野に、塾以外の子どもたちの「学ぶ権利」を守る取り組みも進めています。

ゆっくりした学び 途切れないように

 ダウン症や自閉症など学びに困難さを抱える子どもたちが多く通う「遠山真学塾」(東京都武蔵野市)。教室では代表の小笠直人さん(45)がパソコンの画面越しに中学1年の男子生徒と向き合っていた。

 「絶対値は0からの距離を意味するんだ。じゃあ、『+2』の絶対値はいくつだろう。一緒に考えてみよう」。勉強のお題は数学の「正負の数」。小さなホワイトボードを手に図を使って説明する。パソコンの中から男子生徒が「2!」。「大正解、ベリーグッド!」。小笠さんは笑顔を見せた。

拡大する写真・図版小さなホワイトボードを使い、パソコンの画面を通して授業を行う「遠山真学塾」代表の小笠直人さん=2020年5月8日、東京都武蔵野市

 オンライン授業を正式に始めたのは、5月の連休明け。安倍晋三首相が2月末、コロナの感染拡大を防ぐという理由で、全国すべての小中高校と特別支援学校について臨時休校にするよう要請した後、休校が長期に及び、子どもの学習権が脅かされていることに危機感を抱いたからだ。

 日本が1994年に批准した「子どもの権利条約」では、人間は誰でも教育を受けて学習をすることで発達を遂げていくという「学習権」があるとしている。小笠さんは「休校にするなら、子どもたちの学びを保障する方法も併せて示すべきだった。でも暫定的な居場所の議論が中心になってしまい、子どもの学ぶ権利を守る実際の取り組みは家庭に押しつけられてしまった」と話す。「国も必死で考えているのだろうが、学習権の保障が大事にされていないように感じます」

 なかでも「学びに困難さのある子どもはゆっくり学ぶという特徴があり、勉強が途切れないようにすることはとても大事」と小笠さんは指摘。「せめて塾の生徒の学習権はオンラインで保障しようと考えました」と振り返る。

 遠山真学塾は83年、小笠さんの父・毅(たけし)さんが開いた。算数と数学を中心に指導する塾の特色は「マンツーマン」と「オープンスペース」。講師と面と向かって語り合う授業は、仕切りのないスペースで行われる。他の子や講師とも触れ合って人間関係を築いてもらいたいとの考えからだ。

 ただ、小笠さんたちのやり方は…

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