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【答える人】福原理恵さん 弘前大学大学院医学研究科産科婦人科学講座講師(青森県弘前市)

 82歳女性。24歳の孫が大学生の頃から不正出血があり、産婦人科で多のう胞性卵巣症候群と診断されました。一生ピルをのみ続けるよう言われましたが、妊娠の可能性や子宮がんのリスクについて教えてください。(愛知県・S)

 Q 多のう胞性卵巣症候群とは。

 A 両側の卵巣が腫れて厚くなり、液体で満たされた袋状の病変(のう胞)が卵巣に多数できます。体質や環境など様々な原因があるとされていますが、はっきりした原因はわかっていません。妊娠が可能な年代の女性の約5~8%にみられる病気です。

 Q 主な症状は。

 A 月経不順、不正出血、無月経です。男性ホルモンが高くなるなどのホルモン異常により排卵が障害されることが多く、不妊症のリスクがあります。排卵が起こらない状態が長く続くと子宮体がんのリスクが高まります。多毛のほか、肥満や血糖値が上がる耐糖能異常、高血圧症、脂質異常症などを伴いやすく、将来、生活習慣病のリスクが上がることが知られています。

 Q 診断方法は。

 A 月経周期などを尋ね、超音波検査で卵巣の小さなのう胞の状態を確認したり血液検査でホルモンの状態を評価したりして診断します。

 Q 治療法は。

 A 肥満の人は減量を含めたライフスタイルの改善が必要です。低カロリー食や適切な運動療法で減量するだけでも、自然に排卵が起こるようになり、薬物治療が不要となる可能性もあります。

 妊娠を希望する場合は、排卵誘発剤を使って排卵を起こし、妊娠を目指します。薬が効かない場合、卵巣に多くの穴を開ける腹腔(ふくくう)鏡下卵巣開孔術という手術や体外受精などの生殖補助医療を考えます。

 妊娠を希望しない場合、低用量ピルなどを使ったホルモン療法を行います。この治療により定期的な出血を起こすことで、子宮体がんの発生リスクを減らせます。

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