[PR]

 新型コロナウイルスの影響で会社から休まされたのに、法定の休業手当を払ってもらえない人のため、政府は中小企業の働き手が直接受け取れる給付金を新設する方針です。ところが、この給付金をあてにして「休業手当は払わない」と言い出す会社が出てきました。会社が休業手当を払う義務との関係は、どう整理されるのでしょうか。

拡大する写真・図版厚生労働省は、雇用調整助成金を活用して休業手当をしっかり払うよう事業者に求めてきた。新しい給付金の登場は、そうした姿勢をわかりにくいものにしている=東京・霞が関

 「5月分の休業手当は払わない」

 首都圏のあるチェーン店の責任者を務める女性は最近、そう社長から通告された。新型コロナに伴う休業手当は4月分までは出ており、突然の方針転換だった。社長は「政府がやろうとしている、個人向けの給付金を受け取ってほしい」と求めてきたという。

■「制度が独り歩き」

 女性は個人で加入できる東京東部労働組合に、「会社側の言うことは正しいのか」と電話で相談。同労組は、「まずは会社に休業手当を求めては」と助言したという。菅野存・執行委員長は「制度はまだ始まってもいないのに、早くも独り歩きしている。会社の休業手当の支払い義務を免責するものになりかねない」と戸惑う。

 会社の都合で働き手を休ませた場合、労働基準法は、働き手の直近3カ月の平均賃金の6割以上を休業手当として払うよう会社に義務づけている。厚生労働省は新型コロナをうけ、休業手当の費用を助成する「雇用調整助成金」の拡充や手続きの簡素化を重ねてきた。会社側の負担額を減らすため、働き手1人あたりの助成額の日額上限も、8330円から1万5千円まで引き上げる方針だ。

 しかし、雇用調整助成金は、あくまでも働き手に休業手当を払った会社に費用を助成する仕組みだ。そのため、新型コロナによる営業自粛や重い家賃負担などで手元資金が枯渇した会社の場合、そもそも休業手当が払えず、働き手がお金を受け取れないことが問題になっていた。

 そこで政府が苦肉の策として打ち出したのが、休業手当を受け取れない働き手が国に直接申請してお金を受け取れる、新しい給付金だ。月33万円を上限に、賃金の8割を、国から働き手に直接払うことが想定されている。厚労省は、関連法案を今国会に提出する方向だ。

不払いの懸念、現実に

 しかし、こうした給付金ができ…

この記事は有料会員記事有料会員記事です。有料会員になると続きをお読みいただけます。

この記事は有料会員記事有料会員記事です。有料会員になると続きをお読みいただけます。

この記事は有料会員記事有料会員記事です。有料会員になると続きをお読みいただけます。

この記事は有料会員記事有料会員記事です。

980円で月300本まで2種類の会員記事を読めるシンプルコースのお申し込みはこちら