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コロナ法律相談 回答:指宿昭一弁護士

新型コロナウイルスの感染拡大で、日本で暮らす外国人の生活もおびやかされています。どのようなサポートが受けられるのか。読者から寄せられた相談などをもとに、弁護士に聞きました。(聞き手・根津弥)

 Q 出入国在留管理庁(入管庁)の外国人収容施設から仮放免されました。熱が出たのですが、健康保険証がありません。

 A 在留資格のない外国人が収容される施設は複数人が一部屋で過ごすことも多く、集団感染のリスクが高い「3密」の状態です。入管庁は近年、一定の条件をつけて収容者を施設外に出す仮放免に消極的でしたが、新型コロナの感染拡大を受けて積極的に認める方針を示しました。

 長期収容はそれ自体が深刻な人権問題であり、拘束が解かれることは歓迎すべきです。ただ、仮放免後も行動は制限され、働くこともできません。

 問題の一つが病気です。在留資格がないと健康保険に加入することができず、治療費は全額自己負担となります。体調が悪かったり持病があったりしても、通院を諦める人も多いです。

 こうした場合でも、貧しい人を対象に医療費の自己負担を減免する「無料低額診療」を利用できます。各地に実施している医療機関があり、一定の条件で無料で治療を受けられます。探すときは、地元の社会福祉協議会や福祉事務所に相談してください。ただ、医療機関も生活困窮者の受け入れに追われ、これ以上対応できるか、ぎりぎりの状態と聞きました。

 仮放免者は「仮」とされていようと、国が日本社会で生活することを認めた人です。発熱などの症状があるのに医療にアクセスできなければ、新型コロナの感染者を見落とす可能性も高まるはずです。感染拡大を防ぐためにも、仮放免者が適切な治療を受けられるよう、国が対策を取る必要があります。

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いぶすき・しょういち 労働組合での活動を経て、2007年弁護士登録。外国人の労働問題や人権問題に取り組む。外国人労働者弁護団代表。

外国人向けの相談窓口やQ&A

・東京都外国人新型コロナ生活相談センター(やさしい日本語を含め14カ国語に対応) 0120・296・004。平日午前10時~午後5時。

・新型コロナウイルス感染症に関する労働問題Q&A(多言語対応) https://covid19-labourqanda.jimdosite.com/別ウインドウで開きます

・外国人技能実習生問題弁護士連絡会 03・6427・5902(東京)、011・231・1888(札幌)。いずれも平日日中のみ。

・NPO法人「POSSE」外国人労働サポートセンター 03・6699・9359(東京)、022・302・3349(仙台)。いずれも平日午後5~9時、土日祝日午後1~5時、水曜定休。メールはsupportcenter@npoposse.jpへ。

・法務省人権擁護局「外国語人権相談ダイヤル」 0570・090911(10カ国語対応)。平日午前9時~午後5時。ホームページはhttp://www.moj.go.jp/JINKEN/jinken21.html別ウインドウで開きます

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新型コロナウイルスに関する問題に、記者が専門家に取材してお答えします。ご質問はQcorona@asahi.comメールするにメールでお寄せください。

 ※Q&Aの内容は、身近な法律問題について解決の参考となるよう、あくまで一つのケースを示したものです。個別の事情によっては、回答内容があてはまらないことがあります。