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コロナ法律相談 回答:師岡康子弁護士

新型コロナウイルスの感染拡大で、日本で暮らす外国人の生活もおびやかされています。どのようなサポートが受けられるのか。読者から寄せられた相談などをもとに、弁護士に聞きました。(聞き手・根津弥)

 Q 新型コロナウイルスに絡めて、中国籍の自分を名指しで差別する匿名のSNSの書き込みがありました。やめさせることはできますか。

 A SNSを運営する会社は書き込みについてのルールを設けており、ほとんどが差別的言動を禁止しています。まずは運営会社に通報しましょう。しかし、これだけでは削除されないことも多いです。

 法務省の人権擁護局に相談し、運営会社に対し削除を要請してもらう方法もあります。地方公共団体によっては、住民のネット上の人権侵害について相談窓口を設け、本人に代わって削除を要請してくれるところもあります。ただし、こちらも強制力はありません。

 法的には、プロバイダー責任制限法に基づき、運営会社に書き込みの削除を申し入れることが可能ですが、任意で応じてくれることは少ないです。強制的に削除させる手段は裁判です。通常の訴訟より早く判断が出る仮処分の申し立てを活用できます。

 匿名の投稿者を特定し損害賠償訴訟を起こす場合、同法に基づき投稿者の氏名や住所などの情報を開示するように請求できますが、これも通常は仮処分の申し立てが必要で、弁護士に相談することをお勧めします。

 内容が刑法で定めた名誉毀損(きそん)や脅迫などにあたる場合は犯罪です。警察に相談し被害届を出しましょう。

 日本では、特定の人に対する攻撃でないと法的な対応を取るのが難しいのが実情です。一方、海外では国籍や民族など集団を対象にした差別的な言動を犯罪とする国も多いです。昨年末、川崎市では罰則を定めた条例ができましたが、日本の法整備は大きく遅れています。(このシリーズは根津弥が聞き手をつとめました)

    ◇

もろおか・やすこ 1992年弁護士登録。東京弁護士会の「外国人の権利に関する委員会」委員。著書に「ヘイト・スピーチとは何か」。

外国人向けの相談窓口やQ&A

・東京都外国人新型コロナ生活相談センター(やさしい日本語を含め14カ国語に対応) 0120・296・004。平日午前10時~午後5時。

・新型コロナウイルス感染症に関する労働問題Q&A(多言語対応) https://covid19-labourqanda.jimdosite.com/別ウインドウで開きます

・外国人技能実習生問題弁護士連絡会 03・6427・5902(東京)、011・231・1888(札幌)。いずれも平日日中のみ。

・NPO法人「POSSE」外国人労働サポートセンター 03・6699・9359(東京)、022・302・3349(仙台)。いずれも平日午後5~9時、土日祝日午後1~5時、水曜定休。メールはsupportcenter@npoposse.jpへ。

・法務省人権擁護局「外国語人権相談ダイヤル」 0570・090911(10カ国語対応)。平日午前9時~午後5時。ホームページはhttp://www.moj.go.jp/JINKEN/jinken21.html別ウインドウで開きます

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新型コロナウイルスに関する問題に、記者が専門家に取材してお答えします。ご質問はQcorona@asahi.comメールするにメールでお寄せください。

 ※Q&Aの内容は、身近な法律問題について解決の参考となるよう、あくまで一つのケースを示したものです。個別の事情によっては、回答内容があてはまらないことがあります。