「国境を超えた家族」 クルーズ船員が長崎に感謝の動画
長崎港に停泊中に新型コロナウイルスの集団感染に見舞われたクルーズ客船コスタ・アトランチカ(イタリア船籍、8万6千トン)の男性乗員(29)が1日、長崎に感謝を伝える動画をSNSに投稿した。感染者は入院中の一部を除いて回復し、船は5月31日に出港。男性は電話取材に「人は一人では生きていけないと感じた。支援に心から感謝したい」と話した。
動画は約4分間。感染確認から1カ月余、県の関係者らに見送られて船が離岸する様子や、「ありがとう」と日本語で呼びかける乗員たちの姿をおさめた。
約30カ国という多国籍の乗員約620人のうち、感染者は149人にのぼった。男性は体調を崩すことなく個室隔離された乗員の身の回りを世話する仕事を続けた。「神様が丈夫な体を与えてくれたから、他の乗員のために働きたかった」
船が停泊した岸壁では約40日間にのべ571人の医師や看護師らが診療を支援した。男性は日本側の医師から感染防止策の指導を受けた。地元住民や高校生が「元気でいて」と呼びかけるビデオメッセージも届いた。「全力で支えてもらっていると感じた」という。
男性は集団感染について「とても大きな経験だった」と振り返り、「人は国境を超えた家族で、助け合うことで強くなれると感じた。また長崎に帰ってきたい」と話した。
動画は(https://www.facebook.com/sgcruisesociety/posts/3425330277495905)で見ることができる。(榎本瑞希)
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