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 新型コロナウイルスによる経済の悪化で、生活に困窮した人を対象とする兵庫県社会福祉協議会の貸付金に申し込みが急増している。この貸付金をうその書類でだまし取ったとして5月、40代の無職の男が県警に逮捕された。困窮者にいち早く生活費を届けるための制度。県社協は「審査を厳格にすれば、必要な人への貸し付けが滞る」と悩む。

 5月中旬、神戸市中央区にある県社協の貸付金の申請窓口には、絶え間なく人が訪れていた。元タクシー運転手の男性は、10万円の貸付金を申し込んだ。週4日働いていたが、新型コロナの影響で勤務は週1~2日に。新神戸駅で4時間待って客がない日も。収入は一気に2割ほどに減り、4月下旬に退職した。「貸付金のおかげで首の皮一枚でつながる。貸付金は申請が簡単で、元同僚にも紹介している」と話した。

 社協は社会福祉法に基づき各自治体に設置され、福祉サービスに関する相談のほか、緊急的に低所得世帯に保証人なしで10万円を無利子で貸す「緊急小口資金」などを設けている。貸付金の原資は公費だ。

 新型コロナの影響が広がり、社協はこの貸付金の対象を、当面の生活費が必要な減収世帯にも広げ、金額も最大20万円に増額。返済までの据え置き期間は2カ月から1年に延ばすなどの対応をとった。

 この貸付金10万円をだまし取ったとして、県警は5月14日に男を詐欺容疑で逮捕した。灘署によると、男は「経営する会社の売り上げが落ちた」として、架空の社名を記した書類を提出。10日後に10万円を振り込ませた疑いがある。男はもともと仕事に就いていなかったという。

 県社協の杉田健治・事務局次長は「申請が殺到したため、普段のような審査ができない。窓口で聞き取った内容を信じるしかなく、事件は残念だ」と話す。

 県社協への貸付金の申請件数は通常、年200件ほど。それがいまは、1日で800件近く申請される日もある。とはいえ、貸付金の性質上、申請者に7~10日で迅速に届くよう、審査手続きなどを進めているという。

 実際、他県の社協で20万円の…

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