拡大する写真・図版マスク姿で蚕を眺める皇后雅子さま(2020年5月29日午後4時50分ごろ、皇居、宮内庁提供)

 歴代皇后が継承してきた皇室の伝統行事「養蚕(ようさん)」。令和への代替わりに伴い、皇后雅子さまが上皇后美智子さまの後を継ぎ、今年から取り組んでいる。5月29日には蚕に桑の葉を与える「御給桑(ごきゅうそう)」に臨んだ。

 29日夕。木々に囲まれた皇居のほぼ中心部にある「紅葉山御養蚕所」に、雅子さまの姿があった。木造2階建てで1914(大正3)年築の養蚕用施設。雅子さまは住まいのある東京・元赤坂からここに通い、養蚕作業を行っている。

 皇室と養蚕の関わりは古い。日本書紀には、5世紀に雄略天皇が皇后に養蚕を勧めたとの記述がある。明治時代には生糸が輸出品目の主力となるなど養蚕業が重要産業とされ、明治天皇の妻・昭憲皇太后が奨励のために養蚕を始めた。その後、大正時代の貞明皇后、昭和時代の香淳皇后、美智子さまと約150年にわたって継承されてきた。

拡大する写真・図版蚕に桑の葉を与える皇后雅子さま=2020年5月29日午後4時50分、皇居、宮内庁提供

 今でも、養蚕作業は100年以上前に確立した工程に倣って行われており、空調設備や人工飼料などは使っていない。養蚕の専門家である主任を中心に、農業高校卒業生らの助手が毎年、蚕の孵化(ふか)から繭を収穫するまで約2カ月間住み込みで作業をしてきた。

 だが、今年はコロナ禍の影響で…

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