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 石川県内の主要企業の2020年3月期決算が出そろった。多くの企業が営業黒字を確保するなどしたものの、新型コロナウイルスの影響を限定的ながら受けた形だ。また今年度に至っては、終息時期などが見通せない中、事業活動への影響を読み切れず、業績見通し自体が立てられない厳しい状況だという。

 繊維メーカーの小松マテーレ(能美市)は、連結の売上高が365億2500万円(前期比6・5%減)、営業利益は16億1200万円(同25・5%減)と3期ぶりの減収、6期ぶりの減益だった。

 営業黒字を確保したものの、5月8日にオンラインでの決算発表の記者会見を開いた中山賢一会長は「コロナなかりせば…」。海外の見本市に参加した社員ら3人が感染し、3月に2週間の営業停止に踏み切ったことで億単位の損失が発生し、業績を圧迫したためだ。一方で、新開発の高品質マスクなどで巻き返しを図るとし、中山会長は「経営は堅調だ。お先真っ暗ではない」と語り、株主への配当も約束した。

 北国銀行(金沢市)は、経常収益は640億5千万円(同13・1%増)、経常利益は119億7700万円(同6・2%減)の増収減益に。新型コロナの感染拡大による保有株式の損失などが響いたという。ただ感染が本格化したのは4月以降。第2波も今後予想され、安宅建樹頭取は「今後、大幅な減益が予想される。当面は取引先の資金繰り支援に全力を挙げる」と話した。

 北陸鉄道(金沢市)の連結決算は、営業収益130億9900万円(同3・5%減)、営業利益は2700万円(同88・8%減)の減収減益。昨秋の台風による観光客減少などが理由で、運転士が感染して一部の路線バスを運休した4月の営業成績は含まれない。同社によると、4月の収入は前年同期比70・8%減だという。

 化学品から情報システムまでを手がける三谷産業(金沢市)は連結の売上高775億9500万円(同9・5%減)、営業利益25億3400万円(同8・5%増)の減収増益に。コロナの影響は限定的だが、テレワークでも活用できる企業内情報管理システムの受注が増益につながった。

 さらに感染拡大した4月以降、休業要請に伴う在宅ワークの活発化は追い風に。三谷忠照社長は「家族との時間を大事にできるなどの良さが実感され始めている。世の中はこの方向に動く」とし、今後関連分野に注力する構えだ。

 ディスプレー大手のEIZO(白山市)は連結の売上高764億8千万円(同4・8%増)、営業利益は64億4100万円(同19・9%増)の増収増益。感染拡大が早かった海外でのテレワーク需要の高まりで販売がやや伸びたという。

 間仕切りメーカーのコマニー(小松市)は営業利益17億1500万円(同20・8%増)と好調。今後は、店舗や施設などに設置できる間仕切りなど感染対策関連製品の開発を進めるという。塚本健太社長は「コロナは一気に終息しない。大きく変化する市場を見すえて、新サービスにつなげる」

 ただ、決算の発表にあわせていつもは公表する次期の業績見通しについては、多くの企業が公表を見送った。感染拡大や想定される第2波の影響で業績の不透明感が増しているためだという。(波多野陽)

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