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 新型コロナウイルスが、学生の就職活動にも大きく影響を及ぼしている。合同説明会やインターンシップなどが相次ぎ中止されるなか、「3密」を避けた新しい就活支援プロジェクトを大学生らが運営し始めた。名付けて「サンゼロ就活」。オンラインで感染リスク、交通費、移動時間をなくし、「三つのゼロ」の就活を目指す試みだ。

 学生らは、主に東海3県でオンライン採用活動をする企業から1分間の動画を募集。サンゼロ就活のホームページに掲載し、学生との出会いの場を設けた。企業からは会社説明にとどまらず、「この世代は逆境に強い」「共に頑張ろう」と就活生へエールを送ったり、会社近くのおすすめスポットを紹介したり、個性あふれる動画が集まった。

 発起人は三重県桑名市在住で名城大3年の三輪久美子さん(20)。休校でキャリアセンターでの相談も、OB訪問もできなくなった。予定していた留学も白紙になったが「家でぼーっとするより、社会に影響があることをしたかった」。

 プロジェクトのきっかけは、インターンシップコーディネート事業などを手がける一般社団法人「わくわくスイッチ」(三重県四日市市)にコロナの広がりにつれて、企業の困惑の声も増えていたことだった。

 法人代表の中村憲和さん(43)が、知り合いの三輪さんに声をかけた。法人のインターン生で、いずれも三重大3年の浦野未来さん(21)、久保圭太郎さん(20)も加わった。2人もインターンの受け入れ企業を探していたが、コロナの影響で頓挫。緊急事態宣言まっただ中で、ロゴやちらし、ホームページの作成などを、すべてオンラインによる会議で進めた。

 「大手の就活サイトは良いことばかり書いてあり、企業の特色が分かりづらかった」と三輪さん。サンゼロ就活は、企業の手作り動画というPR方法をとることで個性、味がより伝わるようにできたという。

 久保さんは「コロナ禍は地域企業にとって必ずしもマイナスではない」と考える。都市部の一極集中が見直されてUターン、Iターンの流れや、地方にいてもリモートで仕事ができる現状が認識されつつあるからだ。自身も地域の魅力ある企業への就職を願う。

 企業の採用担当者も、プロジェクトに新たな採用の活路を見いだしている。物流会社「日商」(三重県亀山市)は、コロナの影響でオンラインでの会社説明会などを実施した。例年は大学や高校を訪問したり、大手就活サイトに登録したり。だが「大手サイトでは有名企業が有利」と担当の稲田允(まこと)さん。「異なる方向性でPRしたいと考えている。サンゼロ就活の存在はありがたい」と話す。

 「なんとなく就活していた学生も、コロナで立ち止まって考える時間ができた。その機会に地元の魅力ある企業を見てほしい」と三輪さんは呼びかける。

 ホームページ(https://3zero.waku1.com/別ウインドウで開きます)には現在、約20社の動画があり、今後も募集を続ける予定だ。問い合わせは、わくわくスイッチ(059・340・6233)。(甲斐江里子)

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