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 新型コロナウイルスの感染の終息が見通せないなか、雨の季節が近づいてきた。災害が起きた場合に多くの住民が集まれば、避難所で、「密集」状態が生じかねない。県内の自治体も対策に頭を悩ませている。

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 愛知県豊橋市は、避難所で間仕切り用の段ボールを積極的に活用するなどの感染対策を検討している。

 市内では風水害や土砂災害のほか、南海トラフ地震で最大震度7の揺れや津波が想定される。小学校単位で設置され、おおむね50人規模で収容できる校区市民館など計71カ所を「第一避難所」に指定。収容能力を超えた場合には「第二避難所」として小中学校体育館など計95カ所を使う。

 新型コロナの流行下では、密閉、密集、密接の「3密」を避けるために、大規模な災害で多くの避難者が予想される場合などは状況に応じて、第一避難所と同時に第二避難所も開放する方針に改める。

 市は、避難生活が長期化した場合にプライバシーを確保するため、これまで1千区画分の間仕切り用段ボールを備蓄してきた。今後、第二避難所では、社会的距離(ソーシャルディスタンス)を確保し、飛沫(ひまつ)感染を防ぐ狙いから、開設してすぐに使うことを想定している。

 間仕切り用段ボールは270センチ四方、高さ110センチの1区画分なら、10分ほどで完成できるという。

 防災危機管理課の担当者は「少しでも感染リスクを減らしたい。ある程度、飛沫対策効果が期待できるのではないか」と話す。

 そのほか、除菌水をまく噴霧器や体温計も各避難所に配備する。これまでの避難所対応と同様、発熱やせきなどの症状がある避難者については、隔離を目的に「専用スペース」を設ける計画だ。(床並浩一)

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 豊明市は、避難所への早めの避難を優先していた従来の対応を変更し、自宅内での在宅避難を基本とする指針をまとめ、公表した。

 国は、避難所が過密状態になることを防ぐため、可能な場合には親戚や友人宅への避難を住民に促すよう、4月に自治体向けに通知している。市はこれに沿って、台風などの風水害や地震の際、在宅避難を優先する方針を盛り込んだ。

 自宅の2階や友人宅などへの避難を呼びかける。避難所で受け入れる場合は、2メートル×3メートルほどの間隔を空けて段ボールで仕切る。受け入れの際には、必ず健康状態も確認する。

 受け入れ後に感染の疑いが生じた人は、別に設ける専用の避難場所に移ってもらう。自分で移動できない時は、運転者などへの感染防止のために内部を改装した専用車両で運ぶ。

 また、地震時には、屋内への避難ではなく、学校の運動場などを開放し、テントや自家用車内での避難も認める。高齢者や3歳以下の子どもを持つ家族には、教室を避難場所として開放することも認めている。

 小浮正典市長は「水害シーズンを控え、早めに市民に知ってもらうことが大切。在宅避難や車中・テント泊を認め、学校の体育館だけではなく、教室も避難所に充てることなど変更点も多いので、広報に力を入れていく」と話す。また、「在宅避難では、自宅が災害時に安全かどうかをハザードマップなどで事前に確認しておく必要がある。日ごろから災害への関心を高めてもらうように呼びかけたい」と言う。(鈴木裕)

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 半田市は6月1日号の市報(広報誌)で、マスク着用に加え、避難所への体温計と消毒液の持参を呼びかけた。これまで豪雨や台風の際は、指定避難所43カ所のうち、低地を中心に10カ所程度を開いてきたが、人が集中しないよう、より多くの避難所を開設して分散させる。

 避難所は段ボールで間仕切りはするが、避難後に感染が疑われる人が発生することも想定し、別室を設ける検討もしている。

 また市は、指定避難所と応急救護所の全49カ所に非接触型体温計を置く方針。ただ韓国製が多く、国内外で需要が高まっているため、秋までの設置は難しい見通しで、年内の設置を目指している。(嶋田圭一郎)