拡大する写真・図版1989年5月、民主化を求めて天安門広場に集まった学生ら

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 中国で民主化を訴えた学生らが当局に弾圧された天安門事件から、4日で31年となった。今年、中国から広がった新型コロナウイルスをめぐり、真実を伝えようとする医師らの声が抑え込まれた。都合の悪い事実を封じようとする政権側と、あらがう市民。せめぎ合いは今も、続いている。(北京=高田正幸)

言論の圧殺「人の生命に関わる」

 「新型ウイルスのすさまじい拡散は、言論の自由の圧殺が招いた『人災』だ」。2月上旬、中国のインターネット上で李克強(リーコーチアン)首相らに宛てた署名入りの書簡が公表された。自由な報道や言論を求める内容だ。

 ウイルスが発生した恐れを警告したため警察に処分された眼科医、李文亮さんがそのウイルスに感染し、死亡した。李氏らの声が葬られたことで被害が拡大した――。怒りがSNSを中心として中国を覆っていた。学者や弁護士が始めた署名は市民も巻き込み、数日で約600人に広まった。

 署名運動に携わった湖北省武漢市のコラムニスト笑蜀さん(57)は「人の口をふさぎ、真相を覆い隠すことが人の生命にも関わることがはっきりした」と、人びとの怒りを代弁する。

拡大する写真・図版現在の天安門広場。事件があった日を前にして、警察官が厳重に警戒していた=2020年6月1日、北京、高田正幸撮影

 笑蜀さんは大学の教職にあった31年前、武漢でも広がった学生運動に加わった。そのため天安門事件後に処分され、7年間、教壇に立てなかった。「体制を守るためには時に同胞の命さえ代償にする。この問題は31年前とかわっていない」と笑蜀さん。「当局の圧力よりも真相を隠される方が怖い。誰も声を上げなければ、われわれは滅びてしまう」と訴える。

■新型コロナの発言で897…

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