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 世界保健機関(WHO)のテドロス・アダノム事務局長は3日、新型コロナウイルスへの治療薬候補を扱うWHOの「連帯治験」で、一時停止していた抗マラリア薬「ヒドロキシクロロキン」の研究活動を再開すると発表した。停止の理由となった英医学誌「ランセット」に載った論文の信頼性に疑問が出ていた。

 「連帯治験」はWHOが調整して国際協力で進める枠組み。テドロス氏は会見で、ヒドロキシクロロキンの治験参加国が情報を精査して「(治験の)継続を支持した」と述べた。

 ヒドロキシクロロキンの新型コロナへの効果をめぐっては、世界中の感染者のデータを分析したとする論文が5月22日付でランセットに掲載された。安全性や有効性は証明されず、服用時に入院患者の致死率が上がったと報告していた。その直後から、統計手法やデータの透明性などへの疑問が浮上。ランセットは今月3日、論文の「重大な科学的疑問」に気付いたとする声明を発表した。

 ヒドロキシクロロキンは、トランプ米大統領が新型コロナに「効果があるかもしれない」として、服用していると明らかにしていた。(ウィーン=吉武祐)