大学生「殺すつもりだった」 ボーガン?で4人死傷
4日午前10時15分ごろ、兵庫県宝塚市安倉西2丁目で「女性の耳に、矢のようなものが刺さっている」と住民から119番通報があった。県警によると、近くの住宅内で親族4人がボーガン(洋弓銃)のようなもので襲われ、3人が死亡、1人が重傷を負った。県警は現場近くにいた、この家に住む大学生、野津(のづ)英滉(ひであき)容疑者(23)を殺人未遂容疑で現行犯逮捕した。
県警によると、亡くなったのは野津容疑者の祖母の好美さん(75)、母のマユミさん(47)、弟の英志さん(22)で、重傷を負ったのは伯母の百合江さん(49)。
野津容疑者は容疑を認めており、「自分の持っていたクロスボーガンで矢を撃ったことに間違いない」「殺すつもりだった」などと供述しているという。
野津容疑者の逮捕容疑は、伯母の百合江さんを殺害しようとしたというもの。ボーガンとみられる凶器は1階リビングで見つかり、4人に計5本の矢を発射したとみられるという。
住宅は2階建てで、祖母は1階の居室で後頭部に矢が貫通した状態で、母親は1階リビングで左頭部に矢が刺さった状態で倒れており、いずれも現場で死亡が確認された。1階浴室前にも、頭部に2本の矢が刺さった弟が倒れており、搬送先の病院で亡くなった。住宅内は荒れた様子はなかったという。
伯母は、首に矢が刺さった状態で逃げ出し、近隣に助けを求めた。野津容疑者は現場に駆けつけた警察官に「おばさんにボーガンの矢を撃った」と話したという。
捜査関係者によると、野津容疑者は県内の私立大学4年生だと話しているという。県警は親族間にトラブルがあった可能性も含め、動機を調べている。
現場はJR宝塚線中山寺駅の南約2キロの武庫川沿いにある閑静な住宅地。
現場は武庫川沿いで、戸建て住宅が立ち並ぶ閑静な地域。その一角に野津容疑者の自宅がある。事件発生当初、パトカーや救急車のサイレンが鳴り響いたといい、住民らは不安そうだった。現場周辺では広く規制線が張られ、多くの報道陣が集まっている。
近くで働く50代男性は、「パトカーが複数の方向から住宅街に入っていって、救急車も何台も駆けつけてきて、何事かと思った」。驚いて外へ出ると、近所の人から人が襲われたと聞かされたという。「静かな地域で、こんなことは初めて」と驚いていた。
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