「ウイルスの感染拡大は仕組まれたものだ」「5Gの電波でウイルスが拡散されている」。新型コロナウイルスの感染拡大が落ち着きつつある欧米で、根拠が不明なまま人々の不安をあおる「陰謀論」がじわじわ広がっている。こうした事態が物語るものは、何なのだろう。(ベルリン=野島淳、ロンドン=下司佳代子)
ドイツでは、4月ごろから政府の規制に対する抗議デモが各地で続く。店舗や飲食店などが順調に再開する一方で、参加者は膨らんだ。最近は数が減ったが、5月中旬には都市部で数千人規模にもなった。
「集中治療病床が空いているのは政府がコロナ危機を誇張してきた証拠だ」。ベルリンで4月末にあったデモに参加した年金生活者ウーウェさん(68)は憤った。IT関係の企業で働くディートリヒさん(60)は「政府は制限を延長しようと、新しい論拠を探している」とまくし立てた。
ドイツ各地のデモは「個人の行動や発言の自由」を訴える人たちで始まった。独メディアによると、反ワクチン運動のほか、極右や極左の活動家らが加わり、陰謀論を帯びた主張が目立つようになってきた。「ワクチンの強制で政府が市民を管理しようとしている」といったものだ。
米国ではすでに、世界保健機関…
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朝日新聞国際報道部