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 人口が減り続ける地方に救いはないのか。「いや、そんなことはない」と唱える研究者たちがいます。「過疎は終わった」と断言するのは、持続可能な地域社会総合研究所(島根県益田市)の藤山浩(こう)所長。そして「中山間地や離島こそが日本のセーフティーネット」と訴えるのが、日本総合研究所研究員の井上岳一氏です。新型コロナ禍で過密都市のひずみがあぶり出された今、説得力を増す「地方復活」の鍵を両氏に聞きました。(清水康志、編集委員・真鍋弘樹

藤山浩さん(持続可能な地域社会総合研究所所長)

 ――全国に先駆けて人口減少と少子高齢化が進んだ中国地方で「過疎は終わった」と主張していますね。

 1960年代に過疎が始まって60年が経ちましたが、30代の家族連れなどが離島や山間部といった『田舎の田舎』に移り住み、社会増が起きている地域が出てきています。それも単なる人口流入ではなく、カフェや工房、本屋などが生まれ、新しい生態系が生まれている。これを私は「縁辺革命」と名付けました。

 成長神話から循環型社会へ、という文明的な転換と言ってもいい。大規模集中の経済成長モデルが破綻(はたん)し、それに気付いた人たちが新たな生き方を模索している。大きく流れが変わったのが、2011年3月の東日本大震災でした。

 循環型社会とは、自然の利子の中で暮らすことです。中国山地には、小さな集落が点在しており、大規模集中の影響をまともに受けましたが、逆に循環型社会では先頭に立っている。

 19年12月には、60年の過疎を生き抜き、持続可能な未来へ先着する中国山地の可能性を発信・共有する年鑑マガジン『みんなでつくる中国山地』を創刊しています。これから100年間、出し続ける覚悟を決めています。

 ――人口の1%分の定住増加があれば、地域が安定するという「田園回帰1%戦略」を提唱されていますね。

 3・11による価値観の変化を契機に、田園回帰の大きな波が来ました。研究所で15年以降ほぼ毎年の全市町村の分析をしていますが、中国地方全体で社会減が緩やかになり、中国山地沿いの比較的小規模な町村で社会増を実現していることが分かりました。全国的にみても、例えば鹿児島県や北海道の離島や山間部で社会増が起きている。縁辺ほど過疎が進むという常識は覆されています。

 ――この30年、政策の何が問題だったのでしょう。

 大規模・集中化一辺倒です。1…

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