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 漫画家の五十嵐恵=ペンネーム・ろくでなし子=被告(48)が支援者らに配った女性器の3Dデータがわいせつ物に当たるかが争われた刑事裁判の上告審で、最高裁第一小法廷(小池裕裁判長)は判決日を7月16日に指定した。五十嵐被告側は無罪を主張しているが、結論を見直す際に必要な弁論を開かないため、罰金40万円とした一、二審の有罪判決が維持される見通しとなった。

 五十嵐被告は自身の性器をモチーフに創作活動をしていた2013年10月~14年5月、ネットで活動資金を募るクラウドファンディング(CF)の協力者ら男女9人に女性器の3Dデータを提供したとして、わいせつ電磁的記録等送信頒布などの罪に問われた。

 弁護側は一貫して無罪を主張。データ提供はCFの協力者を掘り起こしたり関心を広めたりする点で創作活動の一環と位置づけられ、規制すれば憲法が保障する表現の自由を害すると指摘。その内容も皮膚の色や質感を再現しておらず、1957年の最高裁判例がいう「いたずらに性欲を刺激する」ようなわいせつ物に当たらないと訴えた。

 罰金40万円の一審判決を支持した東京高裁は「データは女性器を忠実に再現しており、見た人を興奮させることは明らかで芸術性もない」と指摘。「わいせつ性の強い表現がネット上にあふれているとしても社会的に許容されているわけではなく、規制には性犯罪の助長を防ぐなどの十分な合理性があって、憲法に反しない」と判断していた。

 五十嵐被告は東京都内のアダルトショップに女性器をかたどった作品を置いたとしてわいせつ物陳列罪にも問われたが、高裁は「性器の忠実な再現と言えず、性的刺激を受けるとは考えにくい」として一審と同様に無罪とし、確定した。(阿部峻介)