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 新型コロナウイルスの感染拡大が、広島のお好み焼き店にも打撃を与えている。広島経済大地域経済研究所の実態調査によると、広島市内の店舗の約半数で4月の売上高が1年前に比べて5割以上減った。8割以上の減収となった店舗も1割強に上った。

 地域経済研の細井謙一所長(経営学)が4月下旬、広島市内の868店に質問を送り、2割余りの205店から回答を得た。それによると、4月の売上高が5割以上減った店舗は52・6%に上った。ほとんどの店が、新型コロナによる外出自粛を理由に挙げた。

 回答した店舗の平均的な売り上げは通常時、商品別でお好み焼きが6割、一品料理やドリンク類などが4割となっている。飲食の形態でみると、お好み焼きより粗利益が大きいドリンク類などを扱う「店内飲食」が73%を占める。

 だが、4月は客の動きが大きく変化。店内飲食の売り上げは大幅に減って48%となり、持ち帰りが41%に倍増した。残りは宅配などだ。収益を支える店内飲食が減る一方、持ち帰り容器や感染防止の消毒液の購入費などの経費がかさみ、「店の経営を圧迫する一因になった」(細井所長)。細井所長によると、4月末で閉店を決めた店舗も数店あるという。

 調査では、会社員や観光客らが多く利用し、店内飲食中心の営業が多い中区の店舗が、それ以外の郊外店舗などに比べて減収幅が大きかったことが分かった。細井所長は「賃料が高い市街地の店舗ほど、客単価の上昇が期待できる店内飲食を収益源としており、新型コロナの影響を受けやすい」と分析する。

 修学旅行生やツアー客が多く訪れる広島市中心部の観光名所「お好み村」によると、4月の売り上げは約20店の大半で例年の半分以下に落ち込んだという。

 5月はお好み焼きを求めて修学旅行生らが大勢来店する時期だが、新型コロナで団体予約が約200件キャンセルとなった。7月以降は年末にかけて計450件の予約が残っており、お好み村組合の豊田典正理事長は「5月下旬から店内飲食の売り上げも回復基調にある。とにかく前を向いてがんばっていきたい」と話す。(辻森尚仁)