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 新型コロナウイルスの余波で直接訪れることができない人に県の魅力を発信し、終息後の観光客誘致につなげようと、島根県は旅行会社と共同で県内の酒蔵や食品工場などをオンラインで巡るツアーを始めた。事前にツアー先の酒や食品を購入しておき、ライブ映像とともに楽しむ内容だ。

 ツアー第1弾は5月31日、出雲市を舞台に行われ、全国各地からオンラインで計56人が参加した。

 参加者は午後4時半~8時過ぎ、オンライン会議システムの「Zoom(ズーム)」を利用して市内の旭日酒造や別所蒲鉾(かまぼこ)店などを訪問。稲佐の浜から夕日の映像が配信されるひとときもあった。

 酒蔵などでは、生産者から商品の生産過程、魅力について説明を受け、前もって送られた詰め合わせ「出雲応援セット」(7千円か1万円)の「純米吟醸 八千矛」(旭日酒造)や「あご野焼」(別所蒲鉾店)などを味わった。チャット機能を利用して、リアルタイムで生産者に質問も送った。

 旭日酒造の副杜氏(とうじ)・寺田栄里子さんは、スマートフォンを片手に酒蔵の中を案内した。米をすりつぶす仕込み作業「もとすり」などを実演を交えて紹介。「乾杯」の音頭もとった。寺田さんは「参加者と生産者が、旅で実際に出会うような感覚を共有できるのが新鮮だった。オンラインのご縁をきっかけに、ぜひ実際に島根を訪れてほしい」。

 県によると、参加者から「生産者の人たちに、直接会いに行ってみたい」との感想が多く寄せられたという。県観光振興課の桑沢祐介さんは「予想以上にリアルに来てもらうきっかけになりそう。オンラインで出会った『人』が観光の目的になる可能性を感じている」と語る。

 ツアーの企画は、地元の人との交流などをテーマに旅を企画する企業「あうたび」(東京都)と共同で進められた。

 4月から、県とあうたびとで検討を重ね、5月中旬に開催が決定した。ツアー料金は無料だが、申込時に「地域応援セット」を購入してもらう仕組み。「コロナ禍で影響を受ける生産者の支援にもつなげたい」(桑沢さん)との狙いだ。

 ツアーは今後、14日に松江市、28日に隠岐郡、7月12日に江津市、同月26日に大田市をそれぞれ巡る内容で開かれる。予約はあうたびのホームページ(https://autabi0617.xsrv.jp/shimane/別ウインドウで開きます)から。(浪間新太)