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 緊急事態宣言が解除され、日常生活が戻りつつある。しかし、経済への影響が本格化するのはこれからだ。医療経済学が専門のデビッド・スタックラーさんは、過去の膨大なデータを根拠に「人を殺すのはウイルスではなく、緊縮財政だ」と警鐘をならす。コロナ禍で未曽有の危機に立ち向かう国家は今後、どう行動すべきなのか。(聞き手=アピタル編集長・岡崎明子)

プロフィール
 David Stuckler 1982年生まれ。米国出身。英オックスフォード大学教授を経て、伊ボッコーニ大学教授。著書に「経済政策で人は死ぬか? 公衆衛生学から見た不況対策」など

 ――大学があるミラノは、新型コロナウイルスの感染爆発地となりました。

 「ミラノでは一部ロックダウンが解除されましたが、一時は1日数百人が亡くなっていました。それに比べると、日本の死者数は計1千人以下。本当に対策がうまくいっていると思います。まだ結論を出すのは早いですが、ほかの国から馬鹿にされても、早い段階から対策を取ったのは『正しかった』という証拠です」

 ――「証拠」と言いましたが、経済危機の健康への影響を専門に研究していますね。

 「1930年代の大恐慌からソ連崩壊、アジア通貨危機、リーマン・ショック、そして今回のパンデミックまで、様々な経済危機が人々の健康に与えた影響をデータをもとに解析しています。一般的に経済が悪化すると、職を失い、自殺や心臓発作のリスクが高まり、感染症が流行します。でも同時に政府が『賢明な行動』を取れば、これらを避けられることがわかりました。本当に人々が病むのは病気ではなく、セーフティーネットを奪う緊縮財政なのです」

 ――どういうことでしょう。

 「たとえば2008年のリーマ…

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