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 国内外の古地図を集めた「ゼンリンミュージアム」が6日、北九州市の「リバーウォーク北九州」にオープンする。同市に本社を構える地図大手ゼンリンが運営し、新たなミュージアムは従来の「地図の資料館」を全面改装した。

 館内には海外の収集家らから入手した古地図や史料のパネルなど約120点が展示される。「地図に特化した博物館は国内で他に例はない」(佐藤渉館長)という。本来は「地図の日」の4月19日に合わせて開館する予定だったが、新型コロナウイルスの感染拡大のため延期されていた。

 オープンに先立つ5日、報道関係者向けの内覧会が開かれ、室町時代や江戸時代にヨーロッパの地図製作者らによって描かれた日本地図などが披露された。16世紀後半にポルトガル人が西日本を測量して作った精細な地図をもとにした銅版画は、世界で1点しか見つかっていない貴重な史料だという。

 ミュージアムが力を入れたのは、西洋人が描いた日本地図の変遷だ。日本が単独で描かれた西洋初とされる地図は、イタリア人のベネディット・ボルドーネによるもの。マルコ・ポーロが「黄金の国ジパング」として紹介した日本が想像で描かれたとみられ、単に細長い島国となっている。

 その後、16世紀後半に日本に滞在したポルトガル人のイグナシオ・モレイラが鹿児島から京都まで測量したり、各地の大名から情報を集めたりして実態に近い地図を描いた。

 だが、17世紀に江戸幕府が鎖国すると、西洋における日本の地図は次第に編集が加えられ正確さを失っていった。エンゲルベルト・ケンペルの『日本誌』に収録された日本地図には、北海道と本州の間に「松前」という島が加えられたことが分かる。

 開館時間は午前10時~午後5時。月曜休館(祝日の場合は翌平日)。入館料は1千円(税込み)。保護者同伴の小学生以下は無料。新型コロナの感染拡大を防ぐため、当面は入館者数を制限する。(北川慧一)