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 名古屋市中村区で、おにぎりも総菜もすべて1品50円の食堂を営んでいる佐藤秀一さん(52)はこの春、度重なる試練にさらされた。

 3月中旬、泥棒に入られ、利用客が「店の運営の助けに」と寄付してくれた現金5万円を、募金箱ごと持ち去られた。

 店の愛称は「50円おにぎり食堂」。30代のころ、自身も路上暮らしをした経験がある。「生活が苦しい人も含め、誰もが遠慮なく食事を楽しめる店」を目指し、2016年8月に開店した。「どうして、よりによって、うちが……」。佐藤さんは、善意の寄付が盗まれたことに落胆した。

 だが、怒りは感じなかった。入り口のガラスを力任せに割って侵入した手口は、素人くさかった。「新型コロナウイルスの感染拡大で生活が苦しくなり、切羽詰まってやったのかもしれない」。そう思った。

 翌月、コロナ禍は、佐藤さんの店をも直撃した。学校の臨時休校で、子どもと一緒に家で食事を取る人が増えたのか、テイクアウトの客が押し寄せ、店内が混み合うようになった。「この店で感染者を出したら大変だ」。佐藤さんは4月中旬から店を休業。収入は途絶え、貯金を取り崩した。5月11日に営業を再開してからも、その日の売り上げを、翌日の仕入れに使うような自転車操業が続いた。

 それでも、佐藤さんは前を向いていた。「失業も増えている。この店が本当に必要とされるのはこれからだ」

 店先の郵便受けに、宛名のない封筒を見つけたのは、そんな思いで日々を送っていた6月1日の朝だった。

 開封すると、「お役に立てたら…

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