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 あおり行為など妨害運転を厳罰化する改正自動車運転死傷処罰法が5日、参院本会議で可決、成立した。走行する車の前で停車するなどの行為も、危険運転として新たに処罰の対象に加えられた。けがをさせた場合は15年以下の懲役、死亡させた場合は1~20年の懲役となる。7月に施行される見通し。

 改正前の同法2条では、危険運転致死傷罪を六つに分類。割り込みや接近などのあおり運転も対象にしていたが、加害者が「重大な交通の危険を生じさせる速度」で車を運転していることが要件になっており、停車行為が含まれるかどうかあいまいだった。

 改正法は速度に関する要件を外した上で、①走行する車の前方で停止するなど著しく接近する運転②高速道路などで停車するなどの方法で走行中の車を停止または徐行させる行為――の二つも危険運転の分類に追加した。

 2017年には神奈川県の東名高速で、一家4人の乗った車があおり運転を受けた末に停車させられ、別の車の追突により死傷する事故が発生。あおり運転をした男が危険運転致死傷罪などに問われたが、停車行為も危険運転に当たるかなどが裁判で争われている。こうした事故を教訓に、法務省が改正法を提出した。

 あおり運転をめぐっては、改正道路交通法も2日に成立。ほかの車の通行を妨害する目的で、車間距離の不保持や急な車線変更、ハイビームの継続といった違反をする行為を「あおり運転(妨害運転)罪」と定めた。罰則は、3年以下の懲役または50万円以下の罰金、高速道路でほかの車を停止させるなどした場合は5年以下の懲役または100万円以下の罰金。行政処分は一度で免許取り消しとなる。同法は、早ければ今月末に施行される。(板橋洋佳)