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 プロ野球は5日、練習試合が6試合あった。19日に決まった開幕日のちょうど2週間前。ローテーションからの逆算で、開幕投手に指名されたエースたちが続々と先発した。抜群の安定感を見せた投手、少し不安を残した投手――。調整内容に差が表れた。

拡大する写真・図版ヤクルト先発の石川=諫山卓弥撮影

(DeNA4―4日本ハム)

 ボールがコースに決まらない。日本ハムの有原航平は、何度も悔しそうに顔をしかめた。「はっきりとしたボール球が多かった」。先発で3回を投げ、2安打3四球と制球に苦しんだ。

 3月20日以来の対外試合登板。だが、「肩慣らし」という雰囲気はなく、開幕投手を任された責任感がにじみ出ていた。無失点で切り抜け、直球も力強く、150キロを計測。体は万全であることは見せた。

 昨年12月の契約更改で、今季終了後の大リーグ挑戦を明言している。栗山監督は「口にしたってことは覚悟があるから。仲間として夢を追いかけさせてやりたい。そのためには今季の結果が重要。きっちり結果を残してもらい、良い形で向かわせてやりたい」と話した。(坂名信行)

拡大する写真・図版開幕投手に指名されている日本ハムの有原(球団提供)

(西武8―5中日)

 開幕投手に内定している西武ニールは、課題を残した。速球を小さく動かして内野ゴロを誘う投球が持ち味なだけに、低めへの制球が生命線。しかし、「体のキレがなく、ミスをしてしまった」。高めに浮いたところを痛打され、2本塁打を浴びた。「投げている中で改善される部分」。残り2週間で仕上げる。

拡大する写真・図版開幕投手に内定している西武のニール(球団提供)

(巨人2―2ヤクルト)

 ヤクルトは、高津監督から開幕投手に指名された石川が5回を2安打無失点。「開幕にとっておきたいぐらいの出来」と手応えを語った。2安打はいずれも巨人2番、増田大の二塁打だった。さすがなのは、その直後だ。一回は丸、岡本をともに変化球で遊ゴロ。四回も中軸を完璧に打ち取った。通算171勝の40歳は「嶋にいいリードをしてもらった」と新加入の相方への感謝も忘れなかった。

拡大する写真・図版ヤクルト先発の石川=諫山卓弥撮影

(オリックス5―0広島)

 開幕投手を務める広島の大瀬良が順調な仕上がりだ。先発して4回で打者15人に投げ、被安打2で無失点。圧巻は四回、無死一、二塁とされた後の投球だ。針の穴を通すような制球がさえ、3者三振で切り抜けた。「球の感じは悪くなかったし、バランスを意識しながら投げることができた。開幕に向けてしっかりと調整していきたい」

拡大する写真・図版開幕投手に指名されている広島の大瀬良=2月5日、上田幸一撮影

(オリックス5―0広島)

 エースの矜持(きょうじ)を突きつけるような投球だった。オリックス先発の山岡が7回を無失点。開幕投手の明言を避けてきた西村監督も認めざるをえない。「誰が見ても分かるんじゃないかな。本人には言ってある」

 立ち上がりは球が浮いたが徐々に調子を上げた。縦の変化球とカットボールを交ぜ、狙い球を絞らせない。今季から武器にするシュートも、本人いわく「完成に近い」。打たれた安打は単打1本。三回は一塁走者を牽制(けんせい)で刺した。六回までの予定が、球数が足りずもう1イニング追加した。

 昨季はリーグの最高勝率投手となった。それでも、開幕戦で勝ち星を挙げられなかった悔しさが、今も脳裏にある。「リベンジできる機会をもらえる。それがうれしい」