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 新型コロナウイルスの感染拡大で商店街も大きな打撃を受けた。行政の支援策もあるなか、地域のつながりを生かして、現金を簡単な手続きや申請書類なしで一律に給付するところもでている。

 埼玉県所沢市の西武所沢駅西口から続く「所沢プロペ商店街」は、新型コロナウイルス感染拡大の影響で厳しい経営環境にある加盟店を支援しようと、感染防止などの必要経費を現金で支給する。支給額は10万円未満で、商店街の予算の中から捻出する。日頃の信頼関係をもとに手続きも簡単にし、今月中の支給をめざす。

 300メートルほどの通り沿いに約200の飲食店や小売店、事務所などがひしめく同商店街でも、多くの店が新型コロナによる損害を受けた。5月中旬には地元で50年以上にわたって愛され続けてきた老舗居酒屋が閉店に追い込まれた。

 「私たちにとっても閉店はショック。特に個人経営の店舗は大きな影響を受けている」と同商店街振興組合の新井和弥副理事長。「困っている店に商店街として出来るだけ手厚い支援をしたいと考え、取り組みを始めた」と言う。

 新型コロナ対策に必要な経費であれば、使い道は自由。例えば消毒液やマスク、間仕切り用のパーティション、空気循環用の扇風機などの購入費のほか、新たに始めたテイクアウトや宅配などにかかる経費も支給の対象となる。感染防止対策を商店街として行うことで、市民に「飲食や買い物を安心・安全にできる商店街」をアピールする狙いもある。

 申請は18日に締め切り、審査を経て支給額を決定する。苦境に立つ店側が今月中に支援を受けられるよう、必要経費の領収書は「現金支給後の提出で良い」とした。2回目の実施も検討しているという。(日高敏景)

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 埼玉県戸田市の本町商店会は加盟約60店に手続きなしで一律5万円を補助した。

 同商店会にはJR戸田公園駅や中央通り周辺の店舗が加盟しているが、コロナ禍の影響で売り上げが大きく落ち込み、引き落としの商店会の一カ月の会費1500円が途絶えている店や、たたむ店も出てきたという。

 国や市の補助を受けるには落ち込みを証明するための前年度の売り上げの書類が必要だが、高齢者が経営する店舗などでは書類がそろえられないところもある。特別定額給付金などの公的な支援金も交付に時間がかかることから、商店会で積み立てていた資金を使って支援することにした。

 商店会長の田中治夫さんが5月14日から各店を訪ねて直接、手渡しで配った。「現金での支援は喜ばれる。少しでも支えになれば」と話した。(堤恭太)