[PR]

 新型コロナウイルスの感染予防のため、茨城県立土浦第一高校(土浦市)にAI(人工知能)を利用した検温システムが設置されている。瞬時に10人の体温を測定する優れもので、同校OBで半導体ベンチャー「ザインエレクトロニクス」(東京)会長の飯塚哲哉さん(73)が寄贈した。

 検温システムは同社の子会社が開発した最新型で価格は約100万円。5月末に寄贈され、生徒らが登下校時に通る校舎の昇降口に置かれている。カメラから6メートル以内に近づいた人の顔を同時に10人まで認識し、0・1秒で体温を測定。37・5度以上の人がいると、「保健室に連絡してください」との音声が流れて注意を促す。

 飯塚さんは1966年に同校を卒業し、東京大で物理工学を学んだ。同大大学院の博士課程を修了し、東芝で半導体の研究に当たった後、92年にザイン社を立ち上げた。

 今月3日に同校を訪れた飯塚さんは、生徒会長の渡辺陽基(はるき)さん(3年)から「先輩の協力で日常の学校生活を再開できる。一日一日を大切にしていきたい」との謝辞を受けると、「最先端のテクノロジーはウイルス対策にも役立つ。若いみなさんは新しいものを開発する情熱を持ってほしい」と後輩たちにエールを送っていた。

 同校は現在、約950人の生徒が午前と午後に分かれて分散登校をしており、8日からは通常登校に戻る予定だ。

 植木邦夫校長は「本校には科学に強い関心を持つ生徒が多く、日本有数の起業家である飯塚さんは良いロールモデルになる。毎日身近なところで最先端の技術に接することは、実際に科学の道に足を踏み出すための大きな力になるのでは」と期待する。(谷口哲雄)