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 夏の全国高校野球選手権と山形大会が新型コロナウイルスの影響で中止になったことを受け、山形県高校野球連盟は5日、独自に7月11日から8月1日までの日程で「山形県高校野球大会2020」を開催すると発表した。トーナメント方式で公式戦として行う。

 県高野連はこの日、山形市内で開いた大会運営委員会で日程などを確認し、その後の記者会見で発表した。大会は県高野連が主催し、日本高校野球連盟と朝日新聞社が後援する。

 試合は休校による授業の遅れなどを考慮し、大会期間中の土日祝日に実施する。1、2回戦は村山、置賜、最北、庄内の4地区ごとに行い、勝ち上がった計16チームが3回戦以降で対戦していく。会場は県内8球場を候補に調整中で、決勝は県野球場で予定している。選手登録は1試合20人までだが、試合ごとの登録選手の変更を認める。

 感染防止の観点から開会式は実施せず、1、2回戦の組み合わせ抽選も各地区ごとに行う。スタンドでの観戦について、菅谷明浩理事長は「今後の状況を踏まえながら、控え部員や保護者の来場も検討していければ」と話した。

 大会開催の前提状況として、緊急事態宣言が解除されていること、部活動制限が緩和され、対外試合ができることなどを挙げている。

 阿部稔会長は「甲子園への道はなくなったが、これまで積み重ねてきた努力の確認の場として、いつまでも記憶に残り、長く語り継がれるような大会になってほしい」と話した。

 軟式については、県内の加盟校が1校のため、他県と大会が開催できるか調整を続ける。

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 選手たちは夏の新たな目標に決意を新たにした。

 昨秋の東北大会にも出場した日大山形。練習開始を控えた5日午後4時、選手ら約70人が部室の前に集まり、荒木準也監督から大会の日程を伝えられた。大会に向けて「背番号を本気で勝ち取り、目の前の大会に全力で臨んで、全力で優勝を勝ち取ってほしい」と激励も受けた。

 チームは5月25日から練習を再開。町田紘司朗主将(3年)は「投手の生きた球を打つなど、実戦感覚はまだ取り戻せていない」と話す。4月上旬以降、全員が集まって練習をする機会はなく、選手たちはそれぞれ筋トレや素振りに励んだという。

 今は、活動自粛で思うように野球ができなかった日々をかみしめつつ、練習に励んでいるという。町田主将は「今の仲間と野球をできるのもあと1カ月しかない。ともに甲子園を目指した仲間と、最後までやりきって優勝を目指したい」と力を込めた。

 昨夏の甲子園に県代表として出場した鶴岡東。鶴岡市内の練習グラウンドで取材に応じた鈴木喬主将(3年)は「試合ができるようになってうれしい」と喜んだ。一方で、「明日はどうなるかわからない状況。これからの一日一日の練習を大事にしていきたい」とも。

 チームが出場を決めていた春の選抜大会は中止に。甲子園を夏に託したが、その願いもかなわなかった。「悔しかった」と振り返る鈴木主将。落ち込んだ様子の仲間もいたが、「野球は高校で終わらない。切り替えて練習できるはず」と考えていたという。「積み上げてきたものをすべて出せるように頑張りたい。1試合ずつを大事に戦い、一つでも多くのものを後輩たちに残したい」と話した。

 佐藤俊監督は「3年生の一つの区切りとして、新しい目標ができた」と、開催に踏み切った県高野連への感謝を口にした。

 山形東は、目標だった山形大会の中止が決まった後、3年生14人を中心に「前を向こう」と励まし合ってきたという。長谷川喬士(たかし)主将(3年)は「このような社会情勢で野球ができるのは決して当たり前なことではない。感謝の気持ちを込めて大会では全力を出したい」と意気込んだ。(鷲田智憲、西田理人、佐藤孝則)

山形県高校野球大会2020概要

日程:7月11日~8月1日(土日祝日に実施)

1・2回戦=7月11、12、18、19日 3回戦=23日

準々決勝=24日 準決勝=26日 決勝=8月1日

会場:山形県野球場など8球場を候補に調整中

大会方式:トーナメント

1・2回戦は村山、置賜、最北、庄内の地区ごとに実施。地区代表の計16チームが3回戦に進出

観客:控え部員や保護者の来場は今後検討

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