優秀でないと支援されない? 成績要件が留学生に波紋

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平山亜理 伊藤和行 小林正典 編集委員・増谷文生
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 新型コロナウイルスの影響で困窮する学生に最大20万円を支給する国の緊急給付金をめぐり、外国人留学生だけに設けられた「成績優秀者」の要件が波紋を呼んでいる。文部科学省は要件の必要性を訴えつつも、「最終的には大学などの判断」と説明する。理解を示す大学もある一方、留学生や教員らからは差別的との声が噴出。京都大など、留学生の申請に成績要件をつけない大学も出始めた。

 「成績で支援を決めるのはおかしい」。ベトナム人留学生のファム・シ・クオンさん(21)はそう話す。

 2017年に来日し、日本語学校などを経て今年4月に富山大工学部に入学した。コロナ禍のさなかに引っ越してきたため、バイトも見つからない。日本語学校の授業料など約80万円の借金が残る上、富山大の入学金と授業料の約80万円を払える見込みもない。秋田県にいる留学生の姉からの送金で家賃を払い、食事は1日2食、納豆やタマゴなど安い食材で済ませる。日本で仕事を覚え、母国で太陽光エネルギーの仕事をするのが夢だが、帰国も頭をよぎる。

 留学生にも給付金――。そう聞いて喜んだのもつかの間、もらえるのは「成績優秀者」だけだと知った。「オンラインで学び始めたばかりなのに、大学がどう成績を判断できるのか」

 コロナ禍は留学生も直撃して…

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