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 こんな時こそクラシック音楽の生演奏を――。福岡県糸島市の市民オーケストラ、伊都ジュニアオーケストラが6日、市内のけやきの杜(もり)ホールで第1回記念定期演奏会を開いた。新型コロナウイルスの感染拡大で開催が危ぶまれたが、座席数を減らし、演奏中は換気をするなどの対策を講じて公演を実現させた。

 楽団は市内在住の音楽家筋田典代さん(59)が中心になって2018年12月に立ち上げた。「楽譜が読めなくても可」と間口を広げて団員を募集し、最盛時には43人に。だが、今回のコロナ禍で「家庭の事情」などを理由に退団が相次ぎ、正団員は23人に激減した。

 「3密」を避けるため、公民館での全員練習はできない。団員は3、4人ずつ筋田さん宅に集まり、パート練習を積んだ。「延期や中止も考えましたが、文化庁から『見守るので頑張れ』と励まされました。こうした状況下でコンサートを再開する一つのきっかけになれば」と筋田さん。

 この日は窓を開けて換気し、座席は定員の半分の50席に。入場者は入り口で検温と手の消毒をし、外にも椅子を置いて聴けるようにした。プログラムはショパンのピアノ協奏曲第1番やベートーベンの「運命」など。長時間にわたる密集を避けるため、プログラムを分割して2部制にした。

 コロナ禍で音楽公演は激減。この日予定していた指揮者も東京から来られなかった。外で網戸越しに演奏を聴いた市内の女性(47)は「貴重な機会を提供してもらい、楽しみました」と話した。(鳥居達也)