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 子どもたちが音楽を通して世界の言葉などを学ぶオンライン「おこさま芸大」。愛知県長久手市の作曲家竹之内奏(かな)さん(37)が休校・休園中に始めた無料授業だ。巣ごもりは一段落したが、新型コロナウイルスでダメージを受けた子どもたちの学習や心のケアを見すえ、今後も開講する考えだ。

 「今日の耳トレ」「今日のミステリー」……。竹之内さんが「はかせ(博士)」に扮して進める「おこさま芸大」の授業は、ウェブ会議システムでつながる子どもたちの興味をひきつけるメニューが並ぶ。

 ドレミファソラシ(イタリア語)の日本語(ハニホヘトイロ)、英語(CDEFGAB)を覚えてゲームをしたり、子どもたちに自分の好きな音名を挙げてもらい、それを組み合わせて即興で作曲したり。

 さらに、日替わりでクラシックの作曲家を取り上げ、代表的な曲を聞いてイメージを絵で表現したり、出身国を世界地図に書き込み国旗を覚えたりと、音楽を通して幅広い学習ができるように工夫している。

 「おこさま芸大」は、5月11日にスタートした。学校の休校、幼稚園・保育園の休園中の子どもたちに有意義な時間を過ごしてもらいたいと、音楽教室を主宰する竹之内さんが知恵を絞り、音楽を楽しみながら学べるプログラムにした。

 「子どもだけではなく、ずっと一緒にいる親も煮詰まってしまう。子どもは楽しい学びの時間、親はホッとできるひとときになればと考えた」と竹之内さん。

 SNSなどで呼びかけたところ、県内や東京や大阪、京都のほか海外からも200人を超える応募があった。2歳から音大生までと、年齢層も幅広い。

 授業は平日の午前9時から30分間で、毎回150人ほどが参加した。登校再開で「おこさま芸大」に出席できない子どもが出てきたため、5月29日で15日間の講義はいったん修了した。

 竹之内さんは「ネットでつながる子どもたちとやりとりができるため、人見知りだった子どもが『積極的になれた』と喜んでくれたお母さんもいた」という。

 一方で竹之内さんは、新型コロナによる休校・休園の影響で学校に行くのを不安に思う子どもがいることや、主要教科の学習の遅れを取り戻すためという理由で学校の音楽などの授業が削られてしまうことを心配する。

 子どもたちの心のケアや学習支援のためにも、今後は休日や長期休み期間に「おこさま芸大」を開講する考えだ。竹之内さんは「本当の日常が戻るまで、子どもたちに音楽を楽しむ機会を提供し続けたい。そしていつかは、みんなで実際に会って一緒に演奏をしたい」と話している。(鈴木裕)

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