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 長野市中心部の権堂地区にあるイトーヨーカドー長野店が7日、閉店した。一時は大規模商業施設にリニューアルする案が浮かぶなど、同地区のにぎわい再生の核になると期待されたが、計画は進まなかった。訪れた人たちは閉店を惜しみながら、最後の買い物を楽しんでいた。

 1978年6月にオープン。地上5階、地下1階で、生鮮食品売り場のほか映画館なども入り、42年間にわたって地域で親しまれてきた。運営するセブン&アイ・ホールディングスは大型店の郊外進出など周辺環境が変わるなか、「地域のニーズに応えられなくなった」と閉店を決めた。

 信濃町に住む会社員、藤沢雅子さん(60)は学生時代から今まで店に通った。「長野に住んでいたころから日本映画を見にきたり、買い物したり。結婚してからは子どもと、今は孫と来ていた。思い出が詰まった店なので閉店は寂しい」

 5階で営業する「珈琲専科 ブラジル」の北原里美社長(65)は28歳の時から、コーヒーの味を変えずに店を続けてきた。「お客さんには感謝しかない。感無量です」。店は閉める予定だったが、再開を望む声が強く、権堂商店街内で10月1日に営業再開すると決めた。

 建物を所有する長野電鉄(長野市)は、現在の5階建てのビルを2階建てに「減築」し、屋上に約120台の駐車場をつくるとしている。建物には食品スーパーの誘致を目指し、来年夏以降に新しいテナントでオープンしたい考えだ。(遠藤和希)