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 国際原子力機関(IAEA)が今月開く理事会に向けて、イランの核開発について報告した内容が8日までに明らかになった。核燃料の原料となる低濃縮ウランの貯蔵量が大幅に増えて約1・5トンに達したとするほか、過去の核開発に関連してIAEAが求める査察をイランが拒否しているとして懸念を示している。

 トランプ政権下の米国が2015年の核合意から離脱して対イラン制裁を再発動したことへの対抗措置として、イランは核合意の制限に従わない姿勢をとる。

 核合意に基づく低濃縮ウランの貯蔵制限は202・8キロ(六フッ化ウラン300キロに相当)。関係者によると、今回の報告書では5月20日時点で計1571・6キロと、約3カ月前の計1トン余りから500キロ以上増えた。専門家の間では、低濃縮ウランを仮に90%程度まで濃縮した場合、1トン程度で核爆弾1個分の材料に達するとの見方がある。

 AFP通信によると、IAEAはイラン国内2カ所の施設で2003年にウラン濃縮に関係する作業が行われた疑いがあるとして査察を求めている。イランはこの2カ所について、IAEAとの協定で義務となっている申告をしていない。IAEAは天然ウランの貯蔵場所だったと疑われる3カ所目についても問い合わせをしているという。(ウィーン=吉武祐)