米紙ニューヨーク・タイムズは7日、黒人殺害事件に抗議するデモを米軍を使って鎮圧すべきだとする共和党上院議員の投稿をデジタル版で配信した問題をめぐり、オピニオン編集部のジェームズ・ベネット編集長が辞任したと発表した。配信は社内外で強い批判を浴びており、責任を取った形だ。
投稿は、トランプ大統領の熱心な擁護者として知られるトム・コットン議員が執筆した。白人警官が黒人男性を死なせた事件への抗議デモが一部で激化し、緊張が高まっていた3日にデジタル版で配信され、読者らが強く反発。同紙の記者や編集者らもSNSで批判したほか、スタッフ800人が配信に反対する書簡に署名していた。
ベネット氏は、直後には異なる意見を紹介することの重要性を訴えていたが、翌日の社内向け説明会では「配信前に投稿を読んでいなかった」と明らかにしていた。ニューヨーク・タイムズも「編集過程が拙速で、我が社の求める水準に満たない投稿を配信してしまった」とし、配信は過ちだったと認めていた。
コットン氏の投稿は7日夜も…