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 鳥羽水族館(三重県鳥羽市)は8日、熊野灘で2015年9月と19年2月に採取した計9個体のヨコエビが、新種と判明したと発表した。19年2月に採取した1個体の標本の展示を9日から始める。

 発見した同水族館学芸員の森滝丈也さん(50)によると、9個体はいずれも体長2センチ前後で、同県尾鷲市沖の水深330~400メートルの海底にあった沈木についていた。和名「チンボクヨコエビ」(学名バチケラドクス ヤポニクス)と名付けられ、6月4日に日本甲殻類学会の国際誌「クラスタシアン リサーチ」のウェブ版に掲載された。

 節足動物の仲間のヨコエビは、海水だけでなく、陸上や淡水にも生息する。全世界で9千種類以上、国内でも400種類以上が報告されており、今回発見されたヨコエビは、沈木につくバチケラドクス属の中では最も浅い海で見つかった。

 無脊椎(せきつい)動物を専門とする森滝さんにとって、新種の発見は、今回のヨコエビで13例目となる。森滝さんは「日本近海でバチケラドクス属が見つかったのは初めて。熊野灘に生息する生物の多様性が改めて証明された」と話した。(安田琢典)