[PR]

 山形が世界に誇るオーケストラを守り、音楽で街を元気に――。新型コロナウイルス感染拡大の影響で公演のキャンセルが相次ぐなど、厳しい運営が続く山形交響楽団(山形市)を支援する動きが、官民で広がっている。(江川慎太郎、西田理人)

     ◇

 山形市は8日、ふるさと納税の仕組みで寄付を募る「ガバメントクラウドファンディング」(GCF)を10日から始めると発表した。目標は7500万円で期間は9月7日まで。寄付金は山響で楽団運営などに役立ててもらうという。

 市によると、ふるさと納税サイト「ふるさとチョイス」内に専用ページ「山形市×山響 音楽でまちを元気に」を設け、寄付を募る。寄付はゆうちょ銀行・郵便局での振り込みのほか、担当の市文化振興課への持参も受け付ける。

 市は「山響への支援を通して、音楽で街を元気にしたい」と企画の趣旨を説明。今後、山響と共に、街中での演奏会や飲食店と協力した店内演奏会、GCF開始をアピールするコンサートなどの企画に取り組むという。

 この日、佐藤孝弘市長と山響を運営する山形交響楽協会の園部稔理事長、常任指揮者の阪哲朗さんらが市役所で記者会見した。佐藤市長は「山響を市民が支え続け、市民は素晴らしい音楽を享受してきた。(GCFで)支援をいただいて、この素晴らしい文化を維持、発展させていきたい」と語った。阪さんは「今年生誕250年のベートーベンの交響曲を特別な形で山形から発信する夢をみなさんとかなえていきたい」と語った。

     ◇

 山形市の「TSUTAYA山形北町店」は、山響の演奏を収めたクラシックCDを集めた特別応援企画「お家で山響クラシック」を始めた。8月まで続ける予定で、収益は山響に全額寄付するという。

 入り口そばに特設コーナーを設置。山響が2007年から約10年を費やして完成させた「モーツァルト交響曲全集」(13枚組み、1万7050円)のほか、ブルックナーやシューマンなど、計13種類のCDを並べる。楽団員を紹介するポップやポスターは店員の手作り。「店内で最も高音質」というオーディオでCDを再生してPRする。

 「同じ音楽に関わる者として、少しでも応援できたら」と2日から始めた。市内には山響のCDを取り扱う店舗がほとんどなく、問い合わせも多いという。工藤望店長は「地元の交響楽団をよりよく知るきっかけになれば。CDを聴いて、ホールにも足を運んでほしい」と話した。

     ◇

 山形交響楽団は13日、山形市の山形テルサで無観客の演奏会を開き、インターネットでライブ配信する。視聴は無料で、同楽団創立名誉指揮者の村川千秋さんも特別出演する。

 ステージ上での密集を避けるため、演奏会は金管楽器と打楽器、木管楽器、弦楽器の3部構成とし、奏者を入れ替える。曲目は、J・ウィリアムズ「オリンピック・ファンファーレ」、R・シュトラウス「セレナード 変ホ長調」、シベリウス「アンダンテ・フェスティーヴォ」など。

 午後7時開演。クラシック専門の配信サービス「カーテンコール」で視聴できる。ライブ配信は3月に続いて2回目で、前回は国内外の計3万人超が視聴した。

関連ニュース